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いま、中学生が訴えたいこと(1)

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愛知県東浦町

青少年の非行の芽をつみ、心豊かでたくましい青少年を育てるためには、何よりも健全な家庭環境が大切です。町非行防止と青少年健全育成町民大会で「いま、中学生が訴えたいこと」をテーマにした中学生の意見発表がありました。発表された中学生の意見を紹介します。

問い合わせ:文化センター
【電話】83-9567

■「ネット世界の住人」北部中3年 尾方 彩海さん
近年、世界は情報化社会を迎え、毎日とてつもない量の情報が世界中を行き来している。最新の技術によって生み出された情報機器を使えば、誰でも簡単に友達や家族のみならず日本中・世界中の人々とコミュニケーションを交わせる。また、インターネットは、医療現場での活用やネットショッピングなど社会的弱者を助けることにつながったり、学校教育の幅が広がったりするなど、どんな人、世代にも良い面がたくさんある。しかし反対に、私たち若者に悪影響を及ぼしている面もあるのではないか。
今若者の間で、行き過ぎた承認欲求により起こされる、迷惑行為が問題になっていることを皆さんは知っているだろうか。今や誰もが持つようになったスマートフォン。スマートフォンにはアプリをインストールし、自由に使用することができるが、その中でも、ツイッター、インスタグラム、ライン、フェイスブックなどは、若者に絶大な人気がある。それらの投稿は主に写真や文章で行われ、自分や相手の顔は見ることができない。また、直接出会ったことのない、不特定多数の人とも繋がることができるので、普段より「少し背伸びした自分」を発信できる。投稿が大勢から「いいね!」や「リツイート」「ハート」をもらうことで満足感を得たり「フォロワー」が増えて人気になったりすることもできる。そうするうちに、その数字にとらわれて承認欲求が抑えられなくなってしまい、正常な判断ができない、いわば盲目状態になってしまう若者が増えているようだ。
私はネットニュース・テレビで「インスタ映えによる大量の食品ロス」という問題を見た。いわゆる「映える」食べ物を写真に撮りSNSにアップし、その食べ物は食べずに捨ててしまう、というものだった。私はこの問題を知ったとき、驚きと同時に怒りと悲しみを覚えた。私は小さい頃から食べ物の大切さ、食べることができるありがたさを両親から教えられながら育ててもらった。私たちが毎日、楽しく食事ができているのは、食材となった動植物の命、それらを育ててくださった生産者の方々や、調理をしてくださる人たちの努力によるものだ。関わってくださる全ての人たちへの感謝を忘れてはいけないと思う。だからこそ、自己中心的な理由で粗末に扱うことは絶対にあってはならない行為だと思う。
また、公共物を粗末に扱ったり、他人に迷惑をかけたりする行為ももってのほかだ。自分の欲求を満たすための感情に任せた行動は、きっと自分の知らないどこかで誰かに迷惑がかかっている。私たち若者も社会の一員として、責任をもった行動ができるようになるべきだと私は思う。
私は、スマートフォンの中で取り繕った自分を見てもらうよりも、普段は言えない家族への感謝を言葉にして伝えてみたり、家族と美味しい料理を作って一緒に食べてみたり、現実世界の行動・挑戦や人との関わりを大切にして生きていきたい。ネットの世界にとらわれず、心がネットに住んでしまわないように。

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