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いま、中学生が訴えたいこと(2)

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愛知県東浦町

青少年の非行の芽をつみ、心豊かでたくましい青少年を育てるためには、何よりも健全な家庭環境が大切です。町非行防止と青少年健全育成町民大会で「いま、中学生が訴えたいこと」をテーマにした中学生の意見発表がありました。発表された中学生の意見を紹介します。

問い合わせ:文化センター
【電話】83-9567

■「ネット社会に思う」東浦中3年 有我 朔さん
インターネットという1つの大きなツールには、便利なところや、人々の憧れの対象となるさまざまなコンテンツがあり、一見すると完璧な情報手段といえます。しかし、使い方を誤れば、誰でも簡単に人を傷つけることができてしまったり、将来の自分の道を閉ざしたりすることにもなります。
現在、インターネットの普及により、人々の生活はいろいろな面で変化しています。検索エンジンを使えば知りたいことがすぐに見つかりますし、SNSを通じて見知らぬ人との交流を増やすことも容易になりました。また、写真や動画を投稿すれば反響を呼び、一躍有名になることだってあります。確かに、これはすごいことかもしれません。しかし、使い方を一歩間違えれば、たった1つの自分の情報をインターネットに投稿したことで、取り返しがつかなくなり、自分の人生に大きな影を落としてしまうこともあります。過去に起きたインターネット関連でのトラブルや事件がそれを物語っています。
少し前に、飲食店などでの迷惑行為がニュースで大きく取り上げられました。それを行ったのは学生でした。この事例について、いくつかの疑問をもちました。なぜこのような行為をしようと思ったのでしょうか、というのも大いに気になりました。が、一番、疑問に感じたのは、なぜSNSに投稿してしまったのかという点です。インフルエンサーが動画を投稿してたくさんの人に認知されることに憧れたのでしょか。その真相は本人にしか分かりませんが、その飲食店には多大な損失を与え、多くの人にも悪影響を及ぼしてしまいました。その場のノリや思いつきで行動しているとしたら、黙って撮影している相手に対しても、なぜ、止めなかったのかと僕は思いました。また、拡散された動画に対して過度な誹謗中傷を行っていた人間が余りにも多すぎることにも驚きました。迷惑行為の中には明らかに犯罪になるものもありますし、そういったことで当事者を批判したくなるのかもしれません。しかし、こうした直接的な暴言は決して批判ではなく、その人そのものを否定するもので、言葉の暴力だと思います。匿名だから大丈夫、などといった理由で誰かをしつこく叩き続けていても、開示請求すれば情報が得られ、訴えることができます。誰か1人が言い始めたら、すぐさま多くの人がそれに同調する、そうして波は増幅し、いつしか指1本で人を自殺にまで追い込んでしまうという事態に陥ります。もともと問題を起こした側と被害者側とで解決すべきことに、インターネットという簡単に介入できてしまうツールによって、正当な意見をもたない第三者が我が物顔して暴言を吐き続けることは、冷静に考えなくともおかしな光景です。
近年、問題となっているインターネット上のトラブルはとどまることをしりません。「デジタル」と「タトゥー」の2つの単語を組み合わせた造語で、「デジタルタトゥー」という言葉があります。これは、インターネット上で公開された自身の投稿が半永久的に残ってしまい、将来の自分に不利益を生んでしまうことを意味します。一度、公開された情報を消すのが困難なことから、タトゥーに例えられたのでしょう。これらのデジタルタトゥーを防ぐためには、何が大切になるのでしょうか。
これからの5年後、10年後のネット社会は、もしかすると、法の整備が進み、インターネット上での過激な行為は徹底的に罰せられるようになっているかもしれません。そうなれば幸いですが、もし、そうならなかった場合でも、他人を攻撃したり、自分も被害に遭わなかったりするためにもインターネットの使い方に気をつけなければなりません。インターネットに投稿する前に、これは本当に適切なのか、投稿することによるリスクがどのくらいあるのか、人を傷つけるような表現になっていないかなど、いろいろな視点から想像力を働かせることが大事だと僕は考えています。
どんな時でも一歩踏みとどまることを肝に命じて、インターネットをこれからも使おうと思います。

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