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中学生の思いを伝える「少年の主張」(1)

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愛知県美浜町

7月8日(土)に総合公園体育館サブアリーナにおいて「社会を明るくする運動推進大会・家庭教育講演会」が開催されました。
講演会の中で、中学生が自分の体験等から学んだことを「少年の主張」として発表しました。発表された中学生の作品を紹介します。ぜひご一読ください。

■海を守る
河和中学校 三年 甲斐 咲空

現在、世界では海洋汚染が深刻な問題となっています。特に海に大量に流入するプラスチックのごみが様々な深刻な問題を起こしています。そのごみは海を汚染するだけでなく、そこに住んでいる生き物にも影響を与えています。
私の住んでいる町には海があります。私の家からはその海を広く大きく見ることができます。天気の良い日には昼は青く太陽に照らされてキラキラ輝いていてとてもきれいです。夜も月の出や満ち欠けによって月が海に映し出されていてとてもきれいに見ることができます。こんなにきれいに見える海ですが、いざ目の前にすると、捨てられているか、流れ着いたのか分かりませんが、砂浜海岸には大小様々なごみが多く落ちています。そして海水は藻がはっていてどんより濁っています。波が引く時に少しだけうっすら透明になり貝殻が見える程度です。
私の母は私と同じこの町で生まれて、この町で育っています。そして、母方の祖父もこの町で生まれて、この町で育っています。祖父に話を聞くと、この町の海は、昔はとてもきれいで海水浴場として他の市や町からお客さんが来たり、貝も魚もたくさんとれたりしたそうです。祖父は小さい頃、貝や魚をとってはお魚屋さんに持って行き、小遣い稼ぎをしていたんだよと笑いながら教えてくれました。母の中学生の頃には海はだんだんと汚れていき、海水浴場としての観光客はいなくなり、地元の子がたまに泳ぐくらいだったそうです。でも、ごみは今ほどなく、友達と貝殻を拾ったり海岸をランニングしたりしていたそうです。この約六十年の間でこんなにも海の様子が悪化しています。
調べたところ、私の住んでいる河和の海は日本の海のワーストランキング十位に入っています。私も小さい頃に母や祖母と散歩がてらよく海に出かけて貝殻拾いに行っていたので、すごくきれいだとは思わなかったけど、まさかワーストに入っているとは思わず、驚きました。私の町にはせっかく海があるのに、ごみだらけの濁った海水なんてもったいないです。どうしたらきれいな海に戻るのかみんなで考えて、実行していきたいです。
私は小学生の夏休みに子ども食堂にお昼ご飯を食べによく行っていました。その時に地域の人たちとの交流でEM泥団子を作って近くの川に入れるボランティアをしたことがあります。EM泥団子とは、EM菌の入った米のとぎ汁発酵液とEM活性液を混ぜて発酵させて作成したEMボカシに糖蜜と土を混ぜ合わせ、団子状にしたものです。このEM泥団子を汚泥のたまった海や河川などに投入するだけで、堆積したヘドロを発酵・分解し、元の生態系に戻すことができるということを教わりました。川は海へと続いています。泥団子の大きさは握りこぶし程の小さなものですが、一人一人の日頃からの行いによって、それが積み重なり大きなものとなるでしょう。こんな簡単なことで海がすぐにきれいになるとは思わないけれど、何もしないよりはいいなと思います。あとは、単純に砂浜のごみ拾いなど私一人でも、友達と遊ぶついでや家族とお休みの日にすることで、少しずつですが、きれいな海へ戻ると思います。きれいな海にするために私たちに出来ることはまだまだたくさんあると思います。例えば、海水の汚染の原因である生活排水の汚れを少しでも減らすため、飲み物などは飲みきれる分だけ注ぐ、皿洗いの際には皿に付いている汚れや油は洗い流す前に拭き取ることなどです。
私たちは毎日のようにプラスチックを使い、プラスチックごみを出しています。プラスチックは生ごみなどとは違い、自然に分解されません。外部からの衝撃などで小さくなることはあっても、完全に無くならず、数百年後も消えずに存在し続けると言われています。そのため、ごみとして海などに流れ出ると、そのまま溜まり続けてしまうのです。海のプラスチックごみを減らすためには、プラスチックの使用を控えることやごみのポイ捨て、不法投棄をしないことでごみを減らすことができると思います。私もこれらのことを意識して生活し、大切な海を守っていきます。

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