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とよあけの自然

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愛知県豊明市

■セスジイトトンボとムスジイトトンボ〜微妙なバランスで生息するイトトンボ〜
沓掛町の地蔵池はスイレンやヒシなどの水草が豊富で、セスジイトトンボの発生地となっています。沓掛町の勅使池はウキシバやヨシなどの水草やヤナギ類の根が水草代わりとなり、ムスジイトトンボが生息しているようです。どちらも水草が豊富な池でよく見られましたが、現在では珍しくなり、名古屋市では準絶滅危惧(きぐ)にランクされる絶滅危惧種です。隣接する豊明市の生息地は重要といえましょう。
写真はどちらもオスで、複眼の後ろの斑紋の大きさや形の違い、複眼の色などで区別できますが、非常によく似ています。生息環境もよく似ていますが、ムスジイトトンボの方が環境に選り好みがあるのか、微妙な環境のバランスで進出、繁栄、衰退、ときに絶滅と変動するようです。環境の変化に敏感な割には、セスジイトトンボと競合すると相手を打ち負かし、ムスジイトトンボばかりの池になることもあります。両種の間でも微妙な勢力争いのバランスがあるようで、興味深いです。

豊明市史(自然)執筆員 吉鶴靖則

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