[連載]心温まる1冊(7)

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図書館司書がお薦めする本を紹介します。

『ツバキ文具店』
著者：小川糸
発行元：幻冬舎
発行年：2016年(文庫は2018年刊)
市内図書館所蔵数：単行本24冊、文庫本2冊

◆あらすじ
ツバキ文具店は、手紙を代筆する「代書屋」の仕事も請け負っています。鳩子は代々続くこの家業を祖母から受け継ぎました。昔は殿様の手紙の代筆もしていたそうですが、今の主な仕事は宛名書き。それでも「手紙で気持ちを伝えたい」という依頼はぽつぽつと来ます。家族を失った友人へのお悔やみ状、借金を断る謝絶状、愛する人への最後の手紙…。鳩子は依頼者と受け取る人の気持ちに寄り添い、手紙を書き上げます。

◆おすすめポイント
子どもの頃から祖母に文字の書き方を教え込まれた鳩子は、依頼者や依頼内容に応じて文字を書き分けます。さらに、墨やインクの濃さ、ペンの種類、紙の材質、切手の絵柄、封の閉じ方にまで気を配り、依頼者の「伝えたいこと」を表現します。手紙1通を書くのに、こんなに種類や方法があるのかと驚かされます。
メールとは違う手紙の魅力を感じることができ、道具を探しに文具店へ足を運びたくなります。

市の図書館で所蔵している資料は、ウェブ予約で希望する館に取り寄せて借りることができます。
※図書館の窓口で事前登録が必要

問い合わせ：亀田図書館
(【電話】025-382-4696)