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≪特集≫口の健康でいつまでも元気に(1)

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新潟県新潟市

6月4日~10日は「歯と口の健康週間」です。いつまでも健やかに暮らせるよう、口の健康づくりに取り組みましょう。

◆どうして口の健康が大切なの?歯科医師に聞きました
しまだ歯科 こども歯科 クリニック 島田 正美(まさみ)さん(市歯科医師会理事)

1.口の病気は虫歯と歯周病
口の病気には、主に「虫歯」と「歯周病」があります。
歯のカルシウムが溶かされて穴が開いてしまうのが虫歯です。虫歯は、虫歯菌が口の中の食べ残しを分解するときに発生する酸が原因で起こります。食べ物などの糖質が分解されて酸となるため、砂糖を含む物を頻繁に食べたり飲んだりする人は虫歯になりやすくなります。
歯周病には、歯肉炎と歯周炎があります。歯茎に腫れや出血が起こる歯肉炎から始まり、悪化すると歯を支える骨が溶けて歯が抜ける歯周炎になります。歯周病は、歯と歯茎の隙間の歯周ポケットで増殖する歯周病菌が出す毒素が原因で発症し、放置すると症状が進行してしまいます。

2.口の病気は体の健康を脅かす
虫歯と歯周病は、全身の健康にも影響します。歯を失うことで食べられる物が限られて低栄養になったり、咀嚼(そしゃく)ができず脳への刺激が少なくなることで認知症の悪化などにつながったりします。また、歯周病にかかると歯周病菌が出す毒素が血管を通って全身に巡り、糖尿病や心筋梗塞、脳梗塞などの大きな病気の発症・進行リスクが高まります。
現状では、歯周病に即効性のある治療法はありません。さらに歯周病は、自分では初期症状に気が付かないことが多く、気付いた時には症状がかなり進行している場合もあります。10~20歳代など若くても、歯周病の入り口である歯肉炎にかかる人は多いので、セルフケアをきちんと行うことが大切です。

3.定期的な健診で予防を
口の健康を守るために重要なことは、予防と早期発見です。少なくとも年に1回は歯科医院の定期健診を受け、口の状態を診てもらいましょう。
成人の定期健診では、まず歯周ポケットの深さや歯茎の炎症などを確認し、歯周病の検査をします。その後、歯垢を赤く染め出して患者さん自身に汚れの付着を見てもらい、日頃のセルフケアのアドバイスをします。最後に、歯石取りなどのクリーニングやフッ化物の塗布を行い終了です。
定期的に健診を受けることで、セルフケアが正しくできているか確認でき、虫歯や歯周病にかかったときの早期発見にもつながります。早い段階で症状を発見できるとスムーズに治療できたり、治療期間や治療費を抑えられたりするメリットがあります。
口の健康を保っていつまでも元気に暮らすため、かかりつけ歯科医を持ち、定期健診を受けましょう。

▽歯周病が体に及ぼす影響
脳…脳梗塞・認知症
血管…動脈硬化
心臓…狭心症・心筋梗塞 心内膜炎
肺…誤嚥性(ごえんせい)肺炎
すい臓…糖尿病
おなか…肥満
子宮…胎児の低体重・早産
骨…骨粗しょう症

◆やってみよう 歯周病チェック
20歳以上の約8割が歯周病にかかっているといわれています。自分の口の健康状態を確認してみましょう。

▽チェック項目
・歯茎に赤く腫れた部分がある
・口臭が気になる
・歯茎が痩せてきた
・歯と歯の間に物が詰まりやすい
・歯を磨いた後、歯ブラシに血が付いたり、すすいだ水に血が混じったりすることがある
・歯と歯の間の歯茎が鋭角的な三角形ではなく、うっ血してぶよぶよしている
・時々、歯が浮いたような感じがする
・指で触ると、少しぐらつく歯がある
・歯茎から、うみが出たことがある

1つでも当てはまると、歯周病の可能性があります。歯磨きの仕方を見直し、歯科医院を受診しましょう。

◆健康な人生のために成人歯科健診を受診しよう
市では、40歳と50歳の人を対象に成人歯科健診を実施しています。今年度の対象者には、今年3月に受診券(はがき)を送付しています。委託医療機関に受診券を持参することで、歯科健診を受けることができます(要予約)。ぜひ受診してください。
受診期間:来年3月31日まで
費用:500円
問い合わせ:区役所健康福祉課

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