[連載]心温まる1冊(8)

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図書館司書がお薦めする本を紹介します。

『一年の風景』
著者：池波正太郎
発行元：朝日新聞出版
発行年：2021年12月(単行本は1982年9月朝日新聞社刊行)
市内図書館所蔵数：単行本1冊、文庫本3冊

◆内容紹介
『鬼平犯科帳』『剣客商売』などの代表作で知られる時代小説の名手、池波正太郎の随筆集です。
随筆「昔の味」では、夕飯の冷ややっこや精進揚げ、しょうゆと焼きのりをかけた炊きたてのご飯の味を思い出し、特別な料理はなくても質の良い食べ物で満ち足りていた子どもの頃の食事について語っています。
そのほか、旅行の思い出や愛猫のことなど、刊行当時59歳だった著者の日々のエピソードがつづられています。

◆おすすめポイント
ことし1月、池波正太郎は生誕100周年を迎えました。随筆の中で、「老い」に対する不安や会えなくなった人を思う寂しさに触れ、若い頃のようにはいかないと感じつつも、旅行や芸術を楽しみ、なお精力的に仕事に取り組む池波の姿が目に浮かびます。
生前、池波は食通・美食家としても有名でした。美しく丁寧な文章で紡がれる全42編の随筆は、まるで心を込めて作られた料理のように、読む人の心を満たしてくれます。

市の図書館で所蔵している資料は、ウェブ予約で希望する館に取り寄せて借りることができます。
※図書館の窓口で事前登録が必要

問い合わせ：生涯学習センター図書館
(【電話】025-224-2120)