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自治体の皆さまへ

新春座談会 長岡の明るい未来へ~米百俵の精神で築くあした~(2)

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新潟県長岡市

◆多様性から生まれる変化
市長:佐藤さんは「農家の嫁」になりたかったと伺いました。

佐藤:学生時代に手伝った農業が楽しくて、農業を仕事にしたいと思ったんです。でも当時、農業ができる「就職先」はほとんどなかった。それで農家の長男を探しました!全員それはすごい!

市長:今は女性農業者団体の代表もされています。どのような思いから団体を立ち上げたのですか。

佐藤:農業の経営者の多くは男性で、会合がたくさんあって集まる機会も多いです。でも、女性はそういう場がなくて私にはあまり情報が入ってこなかった。自分のやりたいことがあるときや困ったときに相談できる仲間がほしかったんです。

市長:仲間の存在は力になりましたか。

佐藤:食育事業やマルシェ、研修や交流会など、仲間とやりたいことを実現できるようになりました。パッケージのデザインを工夫しようとか、おしゃれな作業着があれば、テンションが上がるね、などと意見交換もします。

市長:やはり女性の視点が入ると変化につながりますね。市では最新の農業技術を体験できる拠点「スマートアグリ長岡」を整備しました。農業は男性の力仕事というイメージを変えて、女性農業者が一層活躍するきっかけの一つになればと思っています。

山田:佐藤さんは障害のある人とも一緒に農作業をしていますね。

佐藤:全ての人が活躍できる場があったらと考えて、手伝いをお願いしています。小豆に似たささげ豆を収穫して、一緒に殻をむきます。珍しい作物なので、米の脱穀機のような機械はなく手作業です。

市長:ものづくりのまち長岡の技術なら、機械を作れるんじゃないですか。

長井:すぐにでもできそうです!長岡の企業には、県外の人がびっくりするすごい技術者がたくさんいます。その技術を子どもや若者に見せたい。子どもたちのロボット作りに関わり始めた頃の教え子の中には、ロボカップの運営に協力して今の子どもたちに指導してくれる人もいます。育った学生が子どもたちを指導する循環ができていることは、長岡の強み。長岡のものづくりには希望があふれていると思います。

市長:市では、多くの人から長岡の優れたものづくり技術を知ってもらい、楽しさを体験してほしいと「ものづくりフェア」や「メイカーズながおかまつり」を開催しています。今年も2月にあります。

長井:ものづくりが趣味の個人からプロのエンジニアまでさまざまな人が集まります。違う分野の人と話すと、新しい発想につながったりするんですよ。

◆新たな価値を生む場ミライエ長岡
市長:昨年7月に国漢学校の跡地にオープンしたミライエ長岡は、学校外の学びの場でもあります。価値観が多様化する今、学校で学べないこともたくさん出てきました。やりたいことが探せない子もいるでしょう。

長井:教え子の中には、学校にはほとんど行けないけれど、ロボット作りには行きたいという子がいました。学校は苦手でも、好きなことだとどんどん学習意欲が沸いてやる気になる。

市長:ものづくりやプログラミングを学んだり、eスポーツをしたりと学校とは違う環境を用意したい。ミライエ長岡では、子どもたちの好奇心を刺激し、アイデアの実現を応援する小学生向けのワークショップ「ミライエクリエイティブキッズ」のようなイベントを開催しています。

長井:私はミライエ長岡で、業種や世代などの垣根を越えた技術者の交流をしたいんです。5階のナデックベースのものづくりラボには3Dプリンターもある。そこに行けば教えてくれる人がいる環境は素晴らしい。技術が集積する長岡の新しい1ページを作りたいです。

市長:さまざまな人が集まりイノベーションの拠点でもあるミライエ長岡。ここは開かれた場所です。分野や年代の垣根を越えて交流し、議論する場として活用してもらいたいです。

佐藤:女性農業者の仲間と利用してみたいです。違う業種の人とのつながりで、新しいものが生まれる可能性もありますよね。

◆挑戦を続け明るい未来へ
山田:これからが楽しみになってきました。長岡の明るい未来のために大切だと思うことや今後の目標を教えてください。

佐藤:私は挑戦を続けることが大事だと思っています。一緒に頑張る仲間がいるとすごく力になるし、仲間が新しいことを始めるときのワクワクが大好きなんです。農業に関わる女性を増やし、仲間の輪や農業の魅力をもっと広げていきたいです。

松田:仲間の存在は大切ですね。障害者スポーツのチームがなく練習拠点に困っていた私を、長岡ACのコーチや仲間が気持ちよく受け入れてくれました。パラ陸上を通し、大きな夢を持てることの素晴らしさを感じています。

廣川:松田さんに多くの支えがあったように、全ての子どもと親を周りがサポートする環境があるといいですね。自分の意見や気持ちが受け入れられているという安心感があってこそ、怖がらずに挑戦を続けることができると思います。そのためには、価値観を固定しないことが大事。一人ひとりが考えを持ち寄ることでイノベーションが生まれるのではないかと思います。

長井:私の人生は失敗だらけです(笑)。でも、失敗ほど自分を伸ばしてくれるものはない。失敗すると悔しくて、徹底的に原因を考えます。失敗の中に学びがあることを伝えながら、子どもたちの成長を支えていきたいです。

松田:私はスタートの反応が苦手で失敗の連続でしたが、それをバネに練習を続けています。今の目標は、強化指定選手になること。たくさんのライバルと切磋琢磨した先に、5月の世界選手権や8月のパリ・パラ五輪があると思っています。

市長:楽しみですね。ぜひ長岡の子どもたちや若者に勇気を与えてください。

山田:市長、長岡の未来は明るいですね。

市長:みなさん一人ひとりの活動が長岡の大きな力になっていることに、元気づけられました。“ひとづくり”は“まちづくり”。長岡の未来には希望があると改めて感じました。この地に息づく市民協働や米百俵の精神で、子どもたちや若者の挑戦を応援し、夢をつかめる長岡を一緒に盛り上げていきましょう!

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