◆ICTエヴァンジェリスト※1 若宮正子さんインタビュー
■ミッションを胸に社会とつながる それが生き生き年齢を重ねる秘訣
わかみやまさこ 1935年東京生まれ。高校卒業後、三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)に勤務し、女性初の管理職となる。58歳でパソコンを購入し独学・習得。表計算ソフトのエクセルを用いて図柄をつくる「エクセルアート」を考案する。81歳でプログラミングを始め、スマートフォン用ゲームアプリ「hinadan」を開発。「最高齢のアプリ開発者」として世界的に注目される。2018年には国連総会で「高齢社会とデジタル技術の活用」をテーマに基調講演を行う。現在はICTエヴァンジェリストとして普及啓蒙活動にまい進する。
88歳になったいまも私は、ほぼ毎日出かけています。ICT技術の魅力を広める「ICTエヴァンジェリスト」として、あちこちでいろんな提案をしたり、年間150回ほど講演しているものですから。
声がかかれば全国どこへでも出向きます。移動は多少疲れますが、乗りものが好きなので、楽しんでいるうち気づけば目的地に着いていますね。
明日は新幹線で、来週は飛行機……と飛び回っていると、生活は不規則になりがち。起床や就寝、食事の時間はバラバラで、夕食がお弁当のことも多く、世に出回る健康情報に照らせばよくないことばかりしています。
それでも私は、日々生き生きと過ごせています。いちばんの秘訣は、「ぜひこれをやるんだ」という自分なりのミッション※2を持っていることでしょう。高齢者を含めたあらゆる人がICTをもっと活用できる世の中となるよう、企業や行政に働きかけたり啓蒙(けいもう)励んだりすることに、夢中で取り組んでいるんです。
もともと私はお出かけ好きで知りたがり屋、好奇心旺盛で人見知りしない性質。それで58歳のときパソコンを買い、81歳でプログラミングを始めたことが、現在の活動につながっています。これが天職だと思っています。
「いまさらミッションなど探せない」という方がいたら、それはもったいない。どの分野も人手不足の昨今、高齢者が力になれる場はたくさんあります。まず自分の身の回りを眺め、社会で起きていることに関心を持てば、自分なりのミッションはきっと見つかりますよ。
※1 ICT:情報通信技術 エヴァンジェリスト:ICTの技術的な内容を分かりやすく伝える仕事
※2 ミッション:ここでは目標の意味
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