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自治体の皆さまへ

【特集】認知症 私にできること 出会える機会は、すぐそこに(2)

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東京都千代田区 ホームページ利用規約等

■岩田 裕之 さん
Hiroyuki Iwata
「「今」を大切に、できることを楽しむ、広げる」
会社員だった48歳の頃、自覚症状がないものの周囲から言動の変化を指摘され、次第にミスも増えていきました。その後、若年性認知症と診断され、家に引きこもる生活をしていましたが、「同じ病気の人がどのように暮らし、治療しているのか知りたい」と思い、さまざまな集まりに参加するようになりました。
実桜の会は認知症の本人だけでなく、家族も外にでる機会となり、前向きになれる場所だと思っています。家族は先のことを心配しがちですが、それよりも「今」本人が楽しいこと、好きなことに取り組むほうがずっといい。
私は料理が得意で、高齢者施設や子ども食堂などでボランティアとして「腕」を振るっています。好きなことだから楽しいし、喜んでもらえるから嬉しいです。皆さんも、パフェでも食べながら、私たちと好きな話をしませんか。

■ともに支え合い、助け合う 私たちもいつもそばにいる
たどりついた答えは「自分は介護をするのではなく、サポートをする」
サポートの基本は、「焦らず・無理なく」
決してすべて自分でやるのではなく、今までどおりの生活をふたりで続け、何かできないこと、困っていることがあれば、ほんのちょっとの助けをするようにしています。
何かもうひとつアドバイスをと言われれば、不安にさせない、「いつも一緒にそばにいるよ」とよく言うようにしてるくらいかな。
この先いつか、プロの介護の人の手を借りるときが来るまでは、1日でも長く、この生活ができればと思っています。
(実桜の会 参加ご家族の手記より)

■ご家族
「できることを楽しんだほうがいい」
飯塚道代さん
実桜の会はソーシャルワーカーさんに教えてもらって、去年の9月から参加しています。当事者同士、家族同士で話せるのがいいと思っています。
主人は病気が見つかった当初は戸惑い、不安になっていたと思います。でも、できないことを数えるのではなく、できることを楽しんだほうがいいと伝え、「写真が得意なんだから、撮ってみたら」と勧めてみました。最近は近所の緑道公園などを散歩しながら身近な植物や動物を撮ることが増えました。
実桜の会には毎回お気に入りの写真を持ってきます。ほめてもらえることもあって嬉しいようです。

■研究員
「顔なじみがいる“居場所”づくり」
杉山美香さん
((地独)東京都健康長寿医療センター研究所)
私は、「認知症の方が地域で暮らしやすくなるために何が必要か」を研究しています。区とは研究事業で関わり、実桜の会では立ち上げから連携してきました。ご本人が通える範囲で、興味のある活動に参加できることが望ましいと考えます。また、顔なじみの人がいて、話ができる“居場所”がいくつもできるといいと思います。実桜の会のように、もしも、前に言ったことを忘れてしまっても、「あ、そうなんだね」と受け止めてくれるような場所がもっと増えるといいですね。

■認知症地域支援推進員
「認知症受診の間口を広げる」
松永秀幸さん(高齢者あんしんセンター神田)
認知症地域支援推進員として認知症の啓発やサポーター養成講座、認知症カフェの運営などを行っています。私たちの役割は3つ。「啓発」「受診支援」「地域のネットワーク作り」です。
実桜の会は1番目と3番目を実現する機会です。この2つはもちろん、2番目の「受診支援」も重要な課題。家族が認知症かもしれないと思ったとき、どこに行けばよいかわからない方、あるいは受診を躊躇(ちゅうちょ)してしまう方へ間口を広げる必要があります。認知症カフェや実桜の会がハードルを下げる場所の一つになればと思っています。

■デニーズ二番町店店長
「交流の場を提供できることが喜び」
伊勢田誠司さん
実桜の会に参加する皆さんが、お互いに顔を見合わせたときの笑顔が印象的です。地域の皆さんが交流できる場を提供することで、安心して暮らせるまちづくりをお手伝いができるのはとても嬉しいです。
実桜の会で対応しているのは、社内で認知症サポーター養成講座を受講した従業員です。知識をもち、十分に理解をしたうえで接客をしています。勤務中に社会貢献ができる機会であり、携わる従業員自身のやりがいや充実感にもつながっています。

■きのこ地域連携室専門職員
「バラエティ豊かな活動の場を増やしたい」
柴山延子さん((福)新生寿会)
普段はきのこカフェのスタッフ、区の認知症ケア研修の企画、認知症当事者発信のお手伝いなどをしています。実桜の会には初回から参加していますが、皆さんと話しているといろいろな気づきがあり、困難にぶつかったときの乗り越え方みたいなものを教わっているように感じています。
実際の活動では、仲間として一緒にやることを心がけています。最近のブームはボーリング。楽しみながら、やってみたいことを話し合ったり実現したりする場が増えたらいいですね。

■オレンジサポーター
「外出を後押しする人とのつながりを」
初澤美千代さん
認知症サポーター養成講座の受講後ステップアップ研修を受けて、今年からオレンジサポーターとして活動しています。身近で認知症になる人が増えてきて、きちんと勉強したいと思ったことがきっかけ。
実桜の会には毎月参加、絵や写真などの作品を見せてもらったり、私のほうが刺激を受けているんですよ。実は、認知症に関するイベントって、いろいろとあるんですよね。ご家族同伴の参加しやすいものも多くあります。ボランティアも含め、いろいろな意味でプラスの後押しをする人とつながれると、少し世界が広がる気がします。

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