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自治体の皆さまへ

(チーム江戸)古くから受け継がれている江戸切子の歴史

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東京都墨田区

●すみだ江戸切子館(太平二丁目10番9号)
開館時間:午前10時から午後5時まで
*日曜日・月曜日、年末年始は休館
*休館日や体験等の詳細は、すみだ江戸切子館のホームページを参照

●お話を伺いました
セールスマネージャー 門脇 弘典さん

◆職人の“ヒミツ”に迫る!
◇江戸切子ってなぁ~に?
1800年代(江戸時代後期)に生産が始まった伝統工芸品です。透明なガラスの外側を、赤や紺などの色のついたガラスが覆い、2層構造になっています。ガラス表面を削ることで出てくる透明な部分が、きれいな紋様になります。実はこの紋様には、様々な願いが込められているんです。職人が生み出す紋様の美しさに加え、その奥深さから、国内外を問わず人気のある伝統工芸品です。

◇伝統的な紋様
江戸切子に刻まれる紋様には、様々な種類があります。例えば、竹籠の八角網目を連続させ、魔除けとして使われた紋様の「八角籠目(はっかくかごめ)紋様」や、円の円周を4分の1ずつ重ねてつないだ連続紋様が使われる「七宝(しっぽう)紋様」などがあります。江戸切子の生産が始まった頃から使われる伝統的な紋様は、10種類を超えるそうです。さらに、紋様のアレンジやオリジナルを含めると、無数にあるそうです。

◇制作で使用する機械
江戸切子を削るときは「ダイヤモンドホイール」という機械を使用します。この機械は、効率よくガラスを削れる道具のため、制作には欠かせないものです。江戸切子の生産が始まった1800年頃は、やすりや金棒を使用してガラスを削っていたそうですが、後にダイヤモンドホイールの原型となる鉄製円盤の使用が始まったといわれています。

◇レアな職業「江戸切子職人」
すみだマイスターの川井更造さんは、知人の紹介によって江戸切子職人という職業に出会い、求人広告であまり見かけない“レアな”職種のため、この仕事にチャレンジしようと思い興味を持ったそうです。職人は誰もが簡単にできる職業ではありませんよね。
また、“職人”という職業を人に説明したときに、応援や尊敬をされるそうです。また、職種がイメージしやすいため、職業を説明するときに江戸切子職人になって良かったと感じるそうです。

◇楽しいが苦労もある
川井さんが江戸切子職人として感じる一番のやりがいは、自分にしか作れない紋様や作品に対して、価値を付けてもらえることだそうです。江戸切子の作品は、一つひとつ手作りで繊細なため、唯一無二の“匠(たくみ)の技”が必要となります。もちろん楽しいだけではないそうで、「体で覚える仕事のため、すぐに結果が出ず続けることがとても大変」なのだそうです。

◇全ては手作業で
江戸切子の魅力を尋ねると、江戸切子の素となるガラス素材の制作から最後の作業まで、全て手作業で行っていることだと言います。この手間によって、より美しい江戸切子が誕生するそうです。また、派手な“装飾美”ではなく、日常使いできる“機能美”があることも、魅力だと教えてくれました。今後は、今まで培ってきた経験や知識、先人の教えを、次世代の職人へ伝えたいと意気込みます。
江戸切子の魅力を、体験や職人の作業風景などから、ぜひ、感じてほしい、と話していました。

◆体験取材記 職人になってみた!!
◇削り出し作業を体験!
体験は、削る場所をペン等でガラス素材に下書きをする「割り出し作業」から始まります。その作業が終わったら、下書きに沿ってダイヤモンドホイールでガラスを削る「削り出し作業」に進みます。削り出し作業は、本来なら荒削り、二番掛け、石掛けと工程を重ねますが、今回は体験なので一度で仕上げます。割り出し作業で書いたペンの跡を拭って体験はおしまい。
本来は、この後に「磨き作業」を行い、緻密で光沢のある切子紋様が完成します。

◇感想は…やっぱり難しい!
今回の体験で、職人のすごさがよく分かりました。今までは何気なく江戸切子を眺めていましたが、江戸切子の美しさは職人の努力の結晶であり、緻密な模様は職人それぞれの個性を刻んでいることも知りました。
実際に体験してみて、思うようにまっすぐ削ることが難しかったですが、とても楽しかったです。江戸切子の基本的な技術の習得には、5年から10年かかると言います。また、時代やお客さんの需要など、その変化に合わせた商品を作り続ける必要があり、終わりはないとも。
同館の販売スペースからは、隣の作業場をガラス越しにのぞけ、職人の皆さんの作業風景を見学できます。職人の皆さんは黙々と作業を続けており、繊細な紋様を一つひとつ丁寧に削っていました。体験中は、集中力が長く続きませんでしたが、職人の皆さんは、集中力を切らさず作業をしていました。体験をしたからこそ、なおさらその姿がすごいことだと感じました。
これからは、私たちのような若い人にも、伝統工芸の魅力を広めていきたいと思いました。

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〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

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