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自治体の皆さまへ

つながる すみだ人(びと)

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東京都墨田区

すみだを愛し、すみだで活躍する人をリレー形式で紹介する「つながる すみだ人」。お話を伺った方に次の方を紹介していただき、すみだを愛する人をつないでいきます。第53回は、 飲食店等から出る廃食用油を、家畜飼料の原料等に精製する「平和飼糧 株式会社」を営む傍ら、米や大豆の生産者と消費者をつなぐ活動を行う、平野 清子さんです。

Q.すみだでどのような活動をしていますか?
「市民の大豆食品勉強会and茨城アイガモ水田トラスト」というNGOの世話人を務め、「大豆畑トラスト」「水田トラスト」という活動を通じ、生産者と消費者を結ぶ手伝いをしています。これは、大豆や米を食べる消費者が、生産者を信頼(トラスト)して生産費用の一部を支援することで、農薬・化学肥料不使用の有機農業、合鴨(あいがも)農法で作られた大豆や米を受け取るものです。さらに、農作業体験や生産者との交流により、楽しみながら安全な食べ物と豊かな環境を考えるきっかけになればと思い、活動しています。
農薬や化学肥料が使われていない有機農業は、身体(からだ)に安心な分、生産者は手間が掛かるそうです。有機農業者への費用面の支援や、生産者と消費者がつながることで、食・農・環境に興味を持つ方が増え、有機農業が持続可能な社会の維持につながることを願っています。

Q.現在の活動を始めたきっかけは何ですか?
職住接近の「職」は“職業”ですよね。だけど私は、“食べ物”の「食」として、食べ物と人を近づける活動をしたいと思っています。
私が勤める平和飼糧 株式会社は、会社名に「飼糧(しりょう)」と付くとおり、元々は魚かすを飼料に加工し、鶏や豚などの家畜の餌や果物畑の肥料として卸していました。1985年から、茨城県内にある弊社の工場に勤務するようになり、有機肥料や家畜飼料を通して周辺の農家と知り合いになりました。数年が経った1990年代後半には、遺伝子組換えの大豆が日本に流入し始めたことを受け、農家の人たちが遺伝子組換え作物の安全性を熱心に勉強していたんです。その勉強会に参加した縁が、現在の活動につながっています。
活動を始めたばかりの頃、「米はスーパーマーケットの棚でできる」と話す子どもに、衝撃を受けました。都心には畑や田んぼが少なく、野菜や米がどうできるか知らない子どもがいるのかもしれません。ぜひ、食卓に並ぶ食べ物の作り手の気持ちや生産工程にも興味を持ってほしいですね。

Q.平野さんは、すみだのどんなところが好きですか?
物心ついた頃から、祖母に関東大震災や東京大空襲の体験談を聞いて育ち、まるで自分が体験したかのように鮮明なイメージがあります。私が生まれた頃には、すでに祖父は他界していたのですが、このまちの至るところに祖父母の息遣(いきづか)いを感じられるのは、私にとって大きな魅力です。
一方で、すみだには隅田川をはじめ、大横川、旧中川など河川沿いに散歩道が整備されていて、季節の移り変わりが楽しめますよね。最近見ている池波 正太郎原作の時代劇「剣客商売」に縁のある鐘ヶ淵、押上、小梅等といった地名がたくさん残っていて、まちを歩くだけで池波文学の世界に想(おも)いを馳(は)せることができます。人々が前進するためには、温故知新の気持ちが大切だと思います。

「大豆畑トラスト」では、種まきや草取り等の農業体験を行います。収穫した大豆を使ってみそも作るんですよ。こうした活動を通して、少しでも食への関心につながったらうれしいですね。

「水田トラスト」では、合鴨が田んぼの害虫や雑草を食べてくれ、農薬を使用しなくて済むんです。環境だけでなく、私たち消費者にとっても優しい農法です。

・次回登場してくださるのは…
学習塾で子どもに勉強を教える傍ら、「すみだ街かど食堂」の運営やフードドライブ等のボランティア活動に携わる荒川 春子さんです。

問い合わせ:広報広聴担当
【電話】03-5608-6223

◆私の好きな すみだ
◇今月の1枚
「今日も頑張る」
撮影:竹谷 豊子さん

本コーナーへの写真を随時募集しています。詳細は区ホームページをご覧ください。

問い合わせ:広報広聴担当
【電話】03-5608-6223

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