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おぶせの冬と春を楽しむ(1)

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東京都墨田区

◆安市
旧正月に当たる毎年1月14日・15日、小布施町の中心部にある皇大神社(小布施町小布施1136)周辺では、長野県の3大市の1つとも言われる伝統行事「安市」が開催され、近隣から多くの人が訪れます。神社の境内には、だるまなどの縁起物を売る露店が並び、新年に合わせて縁起物を買う人々であふれます。また、だるまのお焚(た)き上げや猿田彦の綱切り、宝船の巡行、稚児行列といった神事も併せて行われ、中でも15日に行われる「火渡り」は、行者がその年の無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を願って熱い熾(おき)(薪(まき)の燃え残り)の上を素足で渡る荒行で、一目見ようとする大勢の見物客で会場が埋め尽くされます。

安市の由来を、小布施町商工会の奥原剛さんに伺いました。「小布施では江戸時代の初期から、毎月3と8の付く日の月6回、“六斎市”という市が開かれ、北信地域の物流の中継地点として栄えていました。また、六斎市の発展とともに、伊勢神宮の分社である皇大神社にも参拝者が増え、“三年参れば伊勢神宮に参拝したのと同じ”とまで言われるほどに信仰を集めるようになりました。六斎市が時代に合わせ形を変えて安市になり、その後大正時代頃から火渡りなどの神事も安市と一緒に行われるようになったそうです。小布施の人にとっては、“安市までがお正月”というくらい深く根付いた行事なんですよ。」
江戸時代からの流れをくむこの伝統行事で、小布施のお正月を過ごしてみてください。きっと良い年始めになるでしょう。

今年の開催日:1月14日(日曜日)・15日(月曜日)
*詳細は小布施町商工会のホームページを参照

・安市一番の見物ともいえる火渡り。行者がお経を唱えながら熾を渡る様は、激しくも厳粛な心持ちになります。行者等が渡り終わった後には、一般の参列者も渡ることができます。

・皇大神社の境内は、縁起物を売る威勢のいい掛け声が飛び交い、人出もあいまって新年にふさわしいにぎやかさです。

・猿田彦の綱切り。道開きの神である猿田彦が、辻(つじ)に張られた綱を刀で断ち切ることで、新年を開くという意味を込めているそうです。

・小布施の人には、安市で旧年のだるまを焚き上げ、また新年のだるまを買うことが年始めの恒例行事となっています。

◆日本酒
小布施町は人口1万人ほどの町ですが、町内には4軒もの日本酒の酒蔵があり、冬になるとそれぞれの味を町内外に届けるため、仕込みを始めます。「昔は小さな地域ごとに酒蔵があって、その地域の人たちのためにお酒を造っていたそうです。今は小布施町の中にある4つの酒蔵が、それぞれ特色のあるお酒を造っています。」こう話してくれたのは、小布施町で明治35年から日本酒を造り続ける酒蔵「高沢酒造(小布施町飯田776)」の杜氏(とうじ)、高沢 賀代子さん。

「私の蔵では現在、戦後の頃から造り続けている“米川”と、私が杜氏に就任した平成17年に新しく造り上げた“豐賀(とよか)〞の、主に2つの銘柄を造っています。“米川”は、地元の皆さんに日常酒として飲んでいただいているお酒で、小布施町内でしか販売していません。“豐賀”は、“お母ちゃんみたいなお酒”をイメージして造り上げたお酒で、ちょっと特別なときに飲んでいただけたらと思っています。どちらも地元の水と米で造った地酒で、町内の人にはもちろん、すみだの人にも飲んでいただいて、小布施の味を知ってもらえたら嬉(うれ)しいですね。」
高沢酒造のほかにも、小布施町には手軽に巡れる距離に酒蔵が複数あり、それぞれの酒蔵が独自の店構えで、訪れた人をもてなしてくれます。小布施町の水と米、恵まれた気候の下で熟成された日本酒たち。ぜひ、味わってみてはいかがですか。

・高沢さんが杜氏に就任したときに造り上げた「豐賀」。“豐賀”という名前は、病を治し人を幸せにする酒を造ったと言われる天女“豐宇賀能売命(トヨウカノメノミコト)”から付けたそうです。

・細部まで気を配りながら、丁寧に仕込みを行う高沢さん。小布施の人は米川や豐賀を飲むと、高沢さんの優しいお顔が浮かんでくるそう。

小布施町には、お話を伺った高沢酒造以外にも、「北信流」「本吉乃川」等を造る松葉屋本店(小布施町小布施778)や、「スクウェア・ワン」「白金」等を造る桝一市村酒造場(小布施町小布施807)などの酒蔵があります。ぜひ、お気に入りの味を見つけてみてください。

*詳細は各酒蔵のホームページ(高沢酒造・松葉屋本店・桝一市村酒造場)を参照

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