町長所信表明(1)

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■はじめに
令和5年度補正予算を上程するに当たり、私の所信を申し上げ、町民の皆様並びに議員各位のご理解とご協力をお願い申し上げます。
町長就任時に述べたところですが、私の信条は、「愛する郷土大島を豊かにするために」です。「きぼうのしま」「にぎわうしま」「やさしいしま」を作るため、町民の皆様との協働作業による町民主体の「共に作るまちづくり」を目指してまいります。
さて、国においては、5月8日から、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが2類から5類に変更されました。それに伴い、大島町感染症対策本部も5月7日をもって廃止されたところです。位置付け変更後の基本的感染対策の考え方、公共施設の感染症対策、医療体制、患者対応等々町民の皆様に対する周知もおこなわれています。
しかしながら、コロナ後も含めて、私たちが住む大島は、観光産業の低迷だけでなく農業・漁業の振興、少子高齢化、自然災害対策等々、大変厳しい財政状況のなか、課題解決に着実に取組むとともに、コロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合対策」を迅速かつ着実に実行していかなければなりません。
東京都においては、本年、離島振興法に基づき、令和5年から令和14年までの離島振興計画が策定され伊豆諸島地域の方向性がしめされました。主な支援措置は、離島活性交付金と国庫補助率の嵩上げです。
大島の基本計画では10年後の目標として以下を挙げています。

1.洋上風力発電設備導入による再生可能エネルギーを活用したまちづくりにより、脱炭素化、産業振興及び防災施策が図られ、地域の活性化や定住が促進されている。
2.観光においては、伊豆大島ジオパークの活動をさらに推進し、来訪者が容易に情報を得られ、楽しめる仕組みが構築されるとともに、様々な人が有機的につながり、それぞれが新たな価値を発見する、島内周遊ツーリズムが展開されている。また、サイクリング等の集客イベントが年間を通じて開催され大島ファンというべきリピーターを数多く獲得している。さらには、宿泊施設、ゲストハウス等が増加し、来訪者に様々な選択肢が提供されることにより、来訪者が増加している。
3.島外生徒受入体制が整備され、関係機関と協力した学習面や教育活動の交流が盛んに行われ、大島の環境を活かした特色ある学校教育が展開され、人材育成が図られている。
4.農業においては、デジタル技術等を活用した基盤整備が進み、生産性、収益性の高い近代農業への転換と新たな特産品の創出が図られ、新規販売ルートの開拓やブランド化が進んでいる。また、担い手となる若手農家の育成が進み、農業基盤が維持されるとともに農業経営の安定化と強化が図られている。
5.漁業においては、漁場・漁協の整備が進み、関係機関と連携した「資源管理型漁業」「栽培漁業」が推進され、未利用資源の活用や水産物のブランド化が進み販路の拡大、漁業経営の安定化が図られている。また、後継者が増加し、漁業基盤の意志・強化が図られている。
6.防災に関する施設整備や啓発が進むとともに、都道・町道の改修により災害時の町内避難交通網の整備が完了し、災害に対する安全性が向上している。
避難マニュアルの整備・浸透が進み、有事の避難体制が確立している。
7.少子高齢化の進展に対して、子育て支援、住宅施設等のきめ細かな住民サービスが行われ、デジタル技術を活用した新たな保険・医療・介護サービスが増えるなど、福祉の島づくりが進んでいる。

このような背景の下、今日の町政には、コロナ感染拡大を予防しながら社会経済活動を回復させるとともに、人口減少と少子高齢化への対応、産業の振興、防災対策、島内交通体系問題、平成25年伊豆大島土砂災害の復興などを着実に推進していくことが求められています。
町においてもコロナ禍により落ち込んだ来島客数も国や東京都の旅行支援等もあったとはいえ、5月連休中も含め少しずつ回復傾向にあります。
前町長の3月定例会における所信表明にもありますが、令和5年度当初予算は、町長、町議会議員の改選期ということで、新規事業やレベルアップ事業等の政策的経費を先送りした骨格的予算編成となりました。6月、9月補正予算を計上する、いわゆる肉付け予算となります。
5月の臨時会でご承認いただきました専決処分事件を除いて、当初予算は、一般会計予算規模は8,206,000千円、特別会計を合わせた全会計の予算規模は12,207,364千円となり、前年度当初予算額と比較しますと、一般会計96,000千円の増額、1.2%の増加、全会計ですと168.685千円の増額、1.4%の増加です。
それでは、補正予算の取組み内容について説明いたします。
歳入・歳出それぞれ、619,000千円の増額となります。