■江戸風鈴
◇音だけでなくデザインでも魅了
ガラス製の江戸風鈴は、縁に残すギザギザによって高められる音の響きが自慢。100年以上続く老舗の4代目・篠原由香利(しのはらゆかり)さんは音だけでなく「見た目できれいと思ってもらえるものを作りたい」と言います。
型を使わずにガラスを膨らませる「宙吹き」や内側への絵付けといった江戸時代からの製法を守りつつ、時代の変化に対応してきました。人気アニメのグッズや店舗のノベルティなどを受注し、活躍の場を広げています。SNSでの情報発信にも力を入れており、インスタグラムの画像を見て海外から注文が入ることもあるそうです。
◇新たな風鈴の楽しみ方を演出
家族と通いの職人の計6人で、年間約3万個を製作します。しかし、住環境の変化や騒音トラブルの影響で、軒に飾って楽しむ光景は過去のものになりつつあり「風鈴ってどう使うの」と聞かれることもしばしば。「でも新たな楽しみ方が生まれるチャンスだと捉えています」と篠原さんは前向きです。
風鈴をつるす卓上台を製作するほか、クリスマスやハロウィンといった季節柄など、インテリアとして年中楽しめる工夫を凝らします。
◇型にとらわれない
伝統的な柄だけ作ればいいという声もあるそうですが、篠原さんは「欲しいと思ってもらうことが大事」と信念を貫きます。
「祖父や父から伝統を守っているのは職人ではなく、使ってくれるお客さんだと聞かされてきました。どんなにいいものを作っても、世の中に受け入れてもらえないと途絶えてしまう」
次代を見据え、職人も「自分たちの技術でこんなことができると提案していかなければならないと思っています」と話していました。
職人の工夫と思いが詰まった伝統工芸品。まずは手に取り、その技や手仕事の温かみに触れてみてください。
問い合わせ:
有限会社篠原風鈴本舗(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)
https://www.edofurin.com/
南篠崎町4丁目22番5号
大正4(1915)年創業
【電話】03-3670-2512
■知る・見る・買う
◇えどコレ!マイスター
区内の伝統工芸者のインタビューなどをホームページ(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)で紹介しています。
https://www.edocore.net/
◇えどコレ!
江戸川区の名産品を販売するインターネットショップ「えどコレ!(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)」では、約800点の伝統工芸品を扱っています。
https://www.rakuten.ne.jp/gold/meipro/smp.html
・アンテナショップエドマチ
タワーホール船堀1階(船堀4丁目1番1号)
営業時間:毎日10時~20時(休館日を除く)
・伝統工芸カフェ・アルティザン
篠崎文化プラザ3階(篠崎町7丁目20番19号)
営業日時:毎日9時~20時30分(年末年始を除く)
■えどがわ伝統工芸産学公プロジェクト
区内の伝統工芸者と美大生が連携し、新たな伝統工芸品を創るプロジェクトです。詳しくは区ホームページをご覧ください。
・陶芸のカップ
・金工のブックバンド
・漆芸の写真立て
・江戸硝子のコーヒーサーバー
・型小紋の靴
・染色を施したエプロン
問い合わせ:ものづくり産業係
【電話】03-5662-0525
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