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特集 令和6年新春対談 子どもたちの心を育む本の魅力(3)

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東京都江戸川区 クリエイティブ・コモンズ

◇本が持つ魔法で“自由”と“自主性”を育む
区長:角野さんは“自由”と“自主性”を大切になさっていますね。
角野:この文学館で自由に本を選んで読んでいくと、本の中の言葉をおのずと自分の中に吸収していくと思うんです。本を読むことで創造力が生まれてきて、例えばこの本はこういうお話なんだけど、こういうお話もあるかなって自分で作ってみたくなるんですよね。そういうふうに自分の言葉を本から獲得していくと、自分を表現する時に、自分の言葉で語ることができると私は思います。大人になるにつれて、人と同じことを言っていれば問題ないって思いがちだし、そう言っていれば楽だけど、これからの世の中は自分の言葉を使い、自分というものをはっきり語れる人が必要とされていくんだろうと思うんです。この文学館には、そういう力が身につく魔法があります。
区長:本を自分で選んで読むということが、自由や自主性を育むきっかけとなるわけですね。とても素晴らしい魔法だと思います。

◇思い出は“生きる力”に
区長:魔法の文学館は開館から2カ月が経ちました。ここで改めて角野さんから魔法の文学館に訪れる子どもたちへメッセージをお願いします。
角野:文学館は絶対楽しいところです。それは断言できますし、自分で自由に本を選べるというところが子どもにとっては魅力じゃないかと思います。ここに来るといろいろなものと出会えるし、このいちご色のおうちがいっぱい建っている文学館に行ってこんな本を読んだよっていう思い出は、その人の一生の力になるんじゃないかと私は思うんです。思い出というのは一つの力ですから、幼い時でも大人になって年を取っても、あそこに行ったんだと言えたとしたら、これはこの文学館の魔法に違いないと思いますので、ぜひここにお越しになってほしいです。
区長:思い出はそのまま“生きる力”に繋がるということですね。
角野:そうです。小さい頃、江戸川の土手で遊んでいたその時は、ただ楽しいひとときでした。でも、長く生きているとあの時のワクワク感がとても懐かしくて、そこから生き生きとした力をもらえるんです。
区長:そうですね、ここに来てワクワクする気持ちを皆さんに持っていただきたいですね。私もこの魔法の文学館をはじめ江戸川のまち全体をますます盛り上げていきますので、これからもどうぞよろしくお願いします。
角野:皆さんのお力を借りながら、私も館長として文学館をさらに成長させていきたいと心から思っていますので、ご協力をお願いいたします。
区長:本日は貴重なお話をありがとうございました。
角野:ありがとうございました。

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