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自治体の皆さまへ

自由な遊びを育む、はるのおがわプレーパーク。(1)

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東京都渋谷区

―子どもも大人も遊び、考え、ともに育つ場所。―

■しぶや区ニュース×渋谷のラジオ 渋谷のラジオで出張インタビュー
子どもが自由に遊ぶ「渋谷はるのおがわプレーパーク」を運営する、一般社団法人渋谷の遊び場を考える会の皆さんに、活動内容や外遊びの大切さについて伺いました。

・一般社団法人渋谷の遊び場を考える会 代表 入江洋子(いりえようこ)さん
「はるプレは、子どもも大人も育ち・育て合うところですね。」
・一般社団法人渋谷の遊び場を考える会 理事 糸賀未己子(いとがみきこ)さん
「子どもたちが自分で自由に遊ぶ場を、これからもみんなでつくっていきたいです。」
・はるのおがわプレーパーク プレーリーダー 青木佑太朗(あおきゆうたろう)さん
「いろいろな人と接することで、たくさんの気付きを得られるのが一番の魅力です。」

◆渋谷に子どもたちが伸び伸びと遊べる場所をつくりたい
◇一般社団法人渋谷の遊び場を考える会(以下、渋あそ)設立の経緯と、皆さんが関わり始めたきっかけを教えてください。
入江:渋あそは、子どもたちが伸び伸び育つために外遊びが大切であることを広く伝えるとともに、外遊びができる環境をつくる活動に取り組んでいる団体です。私が渋⾕区で⼦育てをすることの不安を抱えている中で、⾃主保育※1の活動に出会い、当時訪れていたプレーパークのような場所をぜひ、渋⾕区にもつくりたいと考えるようになりました。その後、⾃主保育の仲間とともに、平成10年4⽉に渋あそを⽴ち上げました。

糸賀:渋あそが運営する「渋谷はるのおがわプレーパーク(以下、はるプレ)」に初めて訪れたころ、よちよち歩きの長男があまりにも活発で、私はどのように育てたらいいのか困惑していました。はるプレでは、子どもたちが自然の中で自由に遊んでいて、私は息子を叱ることなく、ゆったりと見守ることができました。それから毎日通うようになり、入江さんたちと一緒に見守っていくうちに、「この子はこの子のまま、良いところを伸ばしていこう」という考え方に変わってきたんです。地域の皆さんと関わりながら子育てできる環境の素晴らしさに心を動かされ、少しずつ渋あそのお手伝いをするようになりました。

青木:僕は中学生のころから、はるプレで遊んでいました。その後、大学生の時にふらりと寄ってみたところ、当時お世話になっていたプレーリーダーがまだいらっしゃって、僕のことも覚えていてくれたんです。それからイベントのお手伝いをするようになりました。就職してからは、毎週⽇曜⽇開催の「せせらぎ冒険遊び場※2」にスタッフとして参加していたのですが、はるプレスタッフに⽋員が出たタイミングで仕事を辞めて、両⽅の活動に関わり始めました。

※1 保護者同士がグループになって協力し合い、就学前の子どもたちを交代で見守りながら子育てをしていく取り組みのこと。
※2 渋谷区スポーツセンター横のこども広場で、毎週日曜日に開催している遊び場。運営は、渋谷子どもの居場所づくり実行委員会せせらぎファンイン。

◇渋あそでは、どのような活動をしているのですか?
入江:大きな柱は、プレーパークの設立と運営です。それから、外遊びの大切さを広めるために、体験イベントを実施しています。私たち自身も成長するために、子どもの遊びや子育てに関する講演会や勉強会を実施したり、外遊びに関する調査や研究をしたりしています。そのほか、「自分たちの地域でも自由な遊び場をつくりたい」という方々の支援もしています。

◇なぜ、外遊びは大切だと考えているのでしょうか?
入江:自然の中での外遊びには、風を感じる、土に触る、花の香りをかぐなど、子どもたちがさまざまなことを吸収するチャンスがたくさん転がっています。外遊びをしながら、五感を使って多くのことを学んでいくのです。子どもたちは受け身の遊びではなく、自分で考えて自分で決めて、遊びをつくり出します。そして、「もっとやりたい」という気持ちが生まれる。そんな経験ができる場所がとても大切だと考えています。

◆ルールがないからこそ、子どもは自分で考えて遊びをつくり出す
◇はるプレの特徴について教えてください。
青木:はるプレには、子どもたちの安全に配慮しながら遊びをサポートするプレーリーダーを中心に、スタッフが常駐しているので、子どもたちはダイナミックに泥遊びや水遊びができるのが大きな特徴です。また、大人にとっては気を休められる場所です。子どもが遊ぶ場所では、保護者は周囲に気を使ったり、何度も謝ったりすることがありますよね。はるプレでは自由に遊べますから、保護者はある程度余裕を持って見守ることができます。

入江:⼦どもがけんかをしても、⾒守ることにしています。⼦ども同⼠で解決したことは、尊重するようにしています。

◇皆さんにとって、はるプレの魅力は何ですか?
糸賀:遊びのルールが決まっていないところです。使い道が決まっている道具であっても、その通りに使わなくても構いません。いすがあったら、座る以外の使い方をしてもいいんです。子どもたちが自分で遊び方を決められるところが、すごくいいところだなと思います。

入江:基本的には、危険物の取り扱い以外のルールはありません。何か問題が起きた時には、「なぜ起きたのか」「どうすればいいのか」をみんなで考えます。世の中が大きく変化しているこの時代、私たちは社会のルールや、枠組み自体を変えながら生きていかなければいけないと思うからです。はるプレは、子どもも大人も知恵を出し合い、一緒に考える経験ができる場所ですね。

青木:はるプレは、気軽に入って人とつながりを持てる場所です。違う学校の子どもや、学年が違う子どもも、みんなが一緒に遊ぶことができる。そのような「斜めの関係」を持つことが子どもにとっても大切だと言われますが、はるプレではプレーリーダーやスタッフなどの年齢の離れた人たちとも関われます。いろいろな人と接することで、たくさんの気付きを得られるのが一番の魅力だと思いますね。

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