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自治体の皆さまへ

育児の視点を社会に生かすママボノの取り組み。(2)

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東京都渋谷区

◆復職準備ができ、キャリアにポジティブな変化も
◇アワード受賞の感想をお聞かせください。
津田:ママボノは今年10周年を迎え、これまでに700人のママが参加し、支援した団体の数も100を超えました。節目の年にすてきな賞をいただくことができ、とてもうれしいです。ママボノに参加するママたちは、仕事も家庭も完璧にこなしていると思われがちですが、実際はパートナーとの家事・育児の分担、子どもの急な病気など、両立の課題を抱えながら等身大で頑張っています。課題の乗り越え方はそれぞれですが、「復職後の生活を育休中に予行演習できてよかった」という声がとても多く、これもママボノの一つのメリットだと感じています。今回の受賞をきっかけに、育休・離職中のママたちの現状を皆さんにも知っていただけたらうれしいです。

◇樫尾さん、栗原さんはママボノへの参加を経てサービスグラントのスタッフになられたそうですね。
樫尾:私は第2子育休中にママボノに参加し、国際交流を推進する団体のマーケティング基礎調査を担当しました。前職の視点を生かせた部分もありますし、別の業種のエネルギッシュなママたちとすてきなつながりができ、団体からの課題以外に自分たちでチラシまで作ってしまうほど、活動に打ち込むことができました。第1子の育休復帰では仕事の感覚がなかなか戻らず、職場に申し訳ない気持ちを抱えていたのですが、ママボノに参加したことで仕事の感覚を取り戻すと同時に新たな視点を得ることができ、自信を持って復職できました。

栗原:私も第2子育休中にママボノに参加しました。コロナ禍での育休で、社会と切り離されることに不安を感じていましたし、価値観が変化する中で視野を広げたいという思いが募り、出産後の病院のベッドの上で申し込みました。担当したのは地域福祉を担う有志団体の住民アンケートの作成・分析でしたが、それまで当たり前のように感じていた福祉サービスがたくさんの人によって支えられていることを痛感しました。支援先の皆さんが私たちの成果を喜んでくれた時は、とてもうれしかったです。ママボノでチームを組んだママたちとは、プロジェクトの合間に子育ての相談をしたり、これからの働き方についても一緒に考えたりと、互いに高め合うことができるいい関係を築くことができ、今でも交流が続いています。

◇津田さんはママボノのプロジェクトをサポートする立場として、どのような点にママボノの魅力を感じていますか。
津田:支援先の団体に親身に寄り添い、時には、団体の期待以上の成果を生み出そうとする熱量や、プロジェクト以外の話もしながらチームワークを深めていく点が、ママボノの魅力だと感じています。また、参加者アンケートでは、85%以上が「キャリア面にポジティブな変化があった」と回答しており、昇進や起業などにつながったという話もよく聞きます。ママボノへの参加が皆さんのキャリアにいい影響を与えられていることが分かり、うれしい限りです。

◆多様性に富んだプロボノ活動を渋谷から発信
◇妊娠・出産や育児などを経験する女性たちが活躍できる社会のために、大切なことは何でしょうか。
嵯峨:子育てを通してコミュニケーション能力や共感力をさらに高めて、周りの人たちの本音や能力を十分に引き出し、組織や仲間を盛り上げていく。そのようなリーダーシップを身に付けた女性たちが社会でいきいきと活躍できることが、日本のジェンダー平等にもつながっていくと考えています。今後も女性たちの活躍を後押しできるよう、さまざまなプロボノプログラムを開発し、進化させていきたいです。

◇ママボノの今後の目標や展望について教えてください。
津田:「復職後もママボノに参加したい」という声を受け、復職したママに向けた短時間プログラム「ママボノNEXT(ネクスト)」を2年前からスタートさせました。ママたちの子育てが一段落する朝晩や仕事の昼休みなどの隙間の時間を活用し、NPOスタッフや代表者の課題整理、キャリアについてご相談に乗るプログラムなど、新しい支援の形が広がっています。また、地域交流型の「ふるさとママボノ」は、現地に数日間滞在してヒアリング調査などを行うプログラムですが、家族連れで参加できると好評をいただいています。

◇最後に、区民の皆さんにメッセージをお願いします。
嵯峨:多様な人が集まり、新しいチャレンジを受け入れてくれる渋谷区を拠点に、20年近く活動を続ける中で、プロボノに対する注目度が高まっているのを感じています。一方で、ママボノをはじめ、女性が社会で活躍するための仕組みづくりはまだ道半ばです。今回の受賞をきっかけに、より多くの人に関心を持っていただき、多様性に富んだプロボノを渋谷から発信していけたらと思います。

栗原:多様な働き方をするママが集うママボノは、生かせるスキルも得られる刺激もたくさんある、とてもすてきな取り組みですので、気軽にご参加いただけたらうれしいです。

樫尾:ママボノのチームにはさまざまな役割があり、必ずしも専門的なスキルが必要なわけではなく、経験された職種や働き方は問いません。毎年夏ごろからママボノの募集の案内をしていますので、関心のある人はウェブサイトやSNSをご覧いただき、どんな些細(ささい)なことも気兼ねなくご相談ください。たくさんのご参加をお待ちしています!

津田:ママボノへの参加を検討している人に向けた説明会や、子育て・キャリアにまつわるイベントも開催していますので、ぜひ、ご参加ください。渋谷区のママたち、NPOや町会・自治会ともっとつながって、一緒にプロボノの輪を広げていきたいです。

[ママボノについて]
ママボノの活動や参加方法をご案内しています。
最新の情報は、ママボノHPをご覧ください。

≪「渋谷のラジオ」で放送中!≫
嵯峨さん、津田さん、樫尾さん、栗原さんへのインタビューは3月5・12日に「渋谷の星」で放送します。

問合せ:広報コミュニケーション課広報係
【電話】03-3463-1287【FAX】03-5458-4920

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