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自治体の皆さまへ

今はむかし その三五三

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東京都狛江市

◆平成4年「こまえごみ100人スピーチ」より
平成4年、ビン・缶のリサイクルが大切と、水道局用地等に集めて分別を始めたところ、どこでも近隣から臭い、うるさいと断られる始末。仕方なく調布市のリサイクルセンターに依頼して何とか急場をしのいだが、やはり狛江市でも造らねばならないと、同年9月5日から、市長以下有志一同、狛江駅前に立ってマイクを握り100人スピーチを開始した。
演題は「ごみ半減・分別が大切」と参加者から多くの意見が出された。主な意見を挙げる。

(1)市民として
「市民の力でごみ半減を」「ごみ問題は環境問題の一環」「私たちがごみとして捨てたものがどこに行ってどうなっているか知っていますか」「小さな狛江を日本一のリサイクル都市に」

(2)個人として
「始めたい。ごみを出さない努力」「物を買ったら最後まで責任を」「なんでも食べる――これが減量への決め手です」「プラスチック入りより瓶入りを買おう」「なんでもビニールの袋に入れて取り引きするが、それを断る勇気はありますか」「デパートでもスーパーでも自分の袋を持って買い物に行こう」

(3)子どもたちに
「物を大切にする心を育てたい」「広告の裏に絵を描いている子どもがいた」

(4)地域で身近なごみ処理を
「トレーはスーパーに返しましょう」「廃油でせっけんを作りましょう」「ごみ処理に市民1年間1万円かかっている。生ごみは水切りをしてから出しましょう――袋の片隅を切っておくとよい」「町会で資源ごみの回収をしたら、環境意識の向上と町会の貴重な財源になった」

(5)集合住宅では
「ビンは色別に出そう」

(6)社員食堂・学生食堂など
「弁当容器は洗ってから出そう。食べ残しが付いていると、悪臭で分別する人が困ります」

(7)観光地や河川敷などで
「飲み食いしない」「食べながら歩かない」

(8)ボランティア
「多摩川でごみを捨てる人と拾う人がいる」「毎朝自宅の前の道を歩きながら空き缶を拾い福祉施設に持っていくと施設の報奨金になる」

(9)事業者へ
「下取りやリサイクル困難なものを作るのはやめよう」「宅配便のダンボールは無駄がない大きさで」

10月4日、多くの市民がごみ問題を考えるきっかけとなったという実感を込めた力強いスピーチで幕を閉じ、最終的には予定を上回る130人が参加。やがて予算が組まれ、近隣住民の了解の下に市役所東側にリサイクルセンターが誕生した。
しかし、ごみ問題は永遠の問題。今の私たちの生活を振り返り、100人スピーチで語られた有益な言葉を生かしているだろうか。みんなで考えよう。

井上 孝(元狛江市文化財専門委員)

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