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市史編さんだより vol.41

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栃木県大田原市

■民俗部会調査速報(13) ~春に行う神楽と獅子舞~
「村の鎮守(ちんじゅ)の神様の今日はめでたいお祭り日 どんどんひゃらら どんひゃらら どんどんひゃらら どんひゃらら 朝から聞こえる笛太鼓」という歌『村祭』があります。秋祭りの印象が強い歌ですが、本市の神社では、春の季節に1年の平安と秋の実りを願い、神楽や獅子舞が奉納され笛や太鼓が境内に響きわたります。
神楽は、境内に神聖な場所(神楽殿など)を設け、舞人が手に鈴・扇・榊(さかき)・剣・弓・幣束(へいそく)などを持ち、仮面をつけて『古事記』の日本神話を題材にした演目(座と呼ぶことが多い)を舞います。岩戸神楽(いわとかぐら)・神代神楽(じんだいかぐら)・太々神楽(だいだいかぐら)などと呼ばれ、本市には、南金丸の那須神社(3月中旬)の永代々神楽や羽田の八龍神社(3月下旬)、中野内の大宮神社(4月上旬)の太々神楽があります。
獅子舞は、ライオンを主人公にしたチベット神話に基づく悪魔祓(ばら)いの芸能が、朝鮮半島を経由し古代日本に渡り、悪霊をまつり清める御(ごりょう)霊信仰と結びついて生まれたといわれています。北関東では、2頭の牡獅子(おじし)が牝獅子(めじし)を奪い合う仕草を演じる「一人立三匹獅子舞(ひとりだちさんびきししまい)」や、獅子頭や舞衣装が派手な「風流(ふりゅう)系三匹獅子舞」と呼ぶ獅子舞が多く、本市でも中野内の大宮神社で4月上旬に演じられます。
なお、9月中旬に、南金丸の那須神社でも大宮神社と同じ獅子頭を用いた獅子舞が演じられ、獅子頭の共有という、他の地域には見られない特徴を持っています。
神楽や獅子舞は、くらしの中で育まれ支えられてきた芸能です。現在は、各地域の保存会などが苦労し努力して継承している、貴重な地域文化です。
(民俗部会 木村康夫)

問合せ:文化振興課
【電話】0287-47-5031

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