文字サイズ
自治体の皆さまへ

特集「オーガニックビレッジ宣言」(2)

2/28

栃木県小山市

◇〔流通・加工〕冨居 登美子(とみいとみこ)さん
よつ葉生活協同組合 顧問
「地産地消 いのちと健康・暮らしを守る」をスローガンに掲げるよつ葉生活協同組合の取り組みについて、元理事長で、現在は顧問を勤める冨居さんにお話を伺いました。冨居さんは元々はなんと主婦として同組合の組合員だったいうことで、加入したきっかけは、お子さんのため安全な食べ物を手に入れるためだったとのことですが、そこから有機農業の推進に関わるようになりました。
有機農業というと安心安全で子どもたちをはじめとする人々の健康のためというイメージがありますが、環境への負荷を抑えることで自然環境を回復させるという側面もあります。特に田んぼはたくさんの生きものが生息する場所でもあり、貯水機能は自然のダムとして洪水の防止にもつながるため、環境保全や生物多様性にも貢献します。それによって子どもたち自身の健康だけでなく、子どもたちが将来成長した際の、地球環境を守ることにつながっています。
現在、よつ葉生協で扱う農産物はすべてが有機農業で作られたものではありませんが、約2~3割は有機農産物で、残りも農薬の使用回数を基準以下に抑えたものだということです。
有機農業に取り組む農家の方々は、農産物を作っても販売できる経路がなかなか無く、農家だけでは販売が難しいといいます。そこで、そうした農家の方々が生活できるように、よつ葉生協は有機農業・地産地消の推進に取り組んでいます。よつ葉生協のチラシには、生産者の方々の顔や名前だけでなく、有機農業に関する情報や同生協の取り組みが載っており、有機農産物について手に取ってみたいと思わされます。
冨居さんは、有機農産物を食べる際に、環境への負荷や、どうやって作られているのかを知った上で食べることが重要だと語ります。そして、農家の方々を友達のように、身近に感じてほしいといいます。

◇〔消費〕オーガニックアンテナショップHARETARA(犬塚)
石川 均(いしかわひとし)さん 同ショップ代表
川村 葉子(かわむらようこ)さん 小山っ子の未来を守る会 会長
オーガニックアンテナショップHARETARA(ハレタラ)は、小山市有機農業推進協議会が犬塚の住宅街に今年2月にオープンした、市内初の有機農産物等の専門店です。
同ショップは市内農家の有機農産物等をメインに扱っており、地産地消にこだわっています。また、市内では生産していないものについても近隣や県内から仕入れているほか、農産物以外にジュースや調味料も取り扱っており、普段スーパーなどで目にしないような商品が並んでいる様子は見ているだけでも楽しめます。
お店に置いてある野菜はすべてその日の朝に収穫したものを持ってきており、新鮮な野菜を求めて、県南地域だけでなく、茨城県など県外からもお客さんが来るといいます。お店にくるのはどういった方が多いのか尋ねたところ、アレルギーを持った子どもの親が多いとのことでした。アレルギーがあっても有機野菜だと食べられる子どもも多く、農薬を使った野菜との違いについても、子どもの方が食べ比べた際に違いに気づくといいます。また、そういった子どもを持つ親たちも、普段なかなか有機農産物等を手に入れることが難しいため、小山にアンテナショップが出来て喜んでくれているということです。
今回お話を伺った代表の石川さんと、同じく運営に携わる川村さんは、小山市の将来を担う子どもたちに安心・安全な食と確かな生活環境を整えていくことを目的とする「小山っ子の未来を守る会」のメンバーでもあります。お二人とも元々農業に携わっていたわけではありませんが、ご自身の経験から食の大切さに気づかされたといい、自分で選んで口にしたもので私たちの体がつくられているということを改めて考えてみてほしいと語ってくれました。そして、農産物が農家さんによってどうやって作られているかも考えてみてほしいとのことでした。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU