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ハートランド(渡良瀬遊水地) 私が案内します Vol.50

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栃木県栃木市

■ツバメのねぐら入り
関口明(せきぐちあきら)さん

▽夏の終わり、ヨシ原上空を数万羽が群舞
日没が迫る、8月末の遊水地。360度広がる大空をみんなで見上げていました(写真上)。「来たっ」。ツバメの大群が、西方からさあ~っとやって来ました。
体重わずか約18g、時速60km以上とされる高速。大空を舞い、覆い、ヨシ原を波打ってかすめ(同左右下)。ツバメはヨシの茎に停まり寝場所とします。ヨシ原を飛び回り、今夜の「ねぐら」を探し、決めているのです。
増え続けて数万羽になる頃、ほかの鳥も加わり、賑わいはピークに。オオタカが現れ、低く飛びツバメを狙います。同じくねぐらを探すムクドリやスズメも、大空を分け合って群舞。ヨシ原の「ジュリジュリ」の鳴き声は、絶滅危惧種のオオセッカです。見聞き入ること約30分、夜が訪れ、凝縮された自然の営みは閉幕しました。
私、関口明(同上の中央左)は、渡良瀬遊水地野鳥観察会(遊鳥会)の会長です。今日は月例の観察会でした。ツバメは、春先にみなさんの家の軒先などで繁殖、子育てする身近な野鳥です。もう一つの姿が大旅行家。年に2回、片道数千km、東南アジアと行き来します。夏の終わり、遊水地に集結し、たくさん昆虫を食べて脂肪を蓄え旅立ちます。そして来春、再び日本に来るのです。
会は、遊水地で野鳥観察を楽しむために10数年前に発足。過去の資料をベースに、観察した鳥を「鳥類目録」に記録し、日本で観察できる野鳥の約半分、269種を確認しています。観察会は毎月開催。だれでも参加できます。

※写真は、本紙またはPDF版32ページをご覧ください。

問合せ:市渡良瀬遊水地課
【電話】62-0919

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