今年5月。世界で猛威を振るった新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類に変更され、私たちは新たな社会に向け再び歩み始めた。
そのような中、今年4月、本市は、第2次市総合計画の新しい計画期間と渡辺市長の2期目の任期が時同じくしてスタートし、まちづくりの新たなステージを迎えている。
那須塩原の未来を描く、市政の重要なテーマ「那須塩原駅周辺のまちづくり」に関して掘り下げていく――。
[那須塩原駅西口から望む山並み]
第2次市総合計画後期基本計画策定に当たっての市民アンケート(令和2年3月)では、「あなたが思う那須塩原市を象徴するものは?」の問いに、1位:温泉、2位:駅、3位:山・連山など。那須塩原駅周辺まちづくりビジョン策定に当たってのアンケート(令和2年12月)では、70%以上の市民が「駅を降りたときに見える山並みなど景観が良い」と回答。
■Re:consider 再考
姫路市=姫路城
草津町=湯畑
那須塩原市=?
[姫路駅から望む姫路城]
姫路駅を降り立って真っ先に目に入るのが、大通りの奥にたたずむ姫路城。まちのシンボルでもあり、多くの観光客を惹きつける世界文化遺産・姫路城を軸に据え、都市開発を行ってきた。
[湯畑広場の再整備でまち全体を再興した草津町]
温泉の温度を下げる「湯もみ」で有名な草津温泉。時代の変遷によって趣を失いつつあった町の中心地が、景観まちづくり事業の実施により再生。平成29年度、国土交通省・都市景観大賞受賞。
●新しいステージを迎える市政
今年4月、市は、まちづくりの最も基本的な計画である「総合計画」の後期基本計画期間を迎えたことに加え、2期目の渡辺市政を時同じくしてスタートしました。
ともに重点的な取り組みとして位置付けているのが「那須塩原駅周辺のまちづくり」。那須塩原駅周辺と聞いて、ごくごく一部の話かと思うかもしれませんが、本市の玄関口であるそのエリアのあり方を考えることが、本市全体、那須地域にとって重要な意味を持つのです。
●激化する地域間競争 市民が誇れる魅力の具現化が必要
まちづくりの主役は市民です。皆さんにとって安全・安心、快適・便利なまちを創り、維持していくことが行政経営の最優先事項。人口減少・高齢化社会が今後さらに進むことを踏まえると、これまで以上に市外から「ヒト・モノ・カネ・情報」などの経営資源を引き寄せる必要があり、そのための魅力づくりやPRが求められます。
観光誘客や企業誘致に加え、ふるさと納税・移住促進など、まちの魅力を市外に向けてPRする場面は次第に増えています。行政のみならず市民自身が自分のまちの良いところをシンプルに語れるよう「まちの魅力」を具現化していくことが、今後ますます重要になるでしょう。
●まちのイメージは中心市街地から
まちのイメージはさまざまです。例えば、群馬県草津町なら湯畑、兵庫県姫路市であれば姫路城、長野県軽井沢町であれば高原リゾート。シンボルとなる景観や建物、名物、印象的な体験など、自身の経験や見聞きするものからまちのイメージを連想することがあります。先ほど挙げたいずれのまちでも、玄関口である中心市街地の景観や建物のイメージが強く感じられるようまちづくりが行われてきました。では、「那須塩原」と聞いて、市民・市外の人がイメージするものは何でしょうか。
●まちの未来を描く検討が再スタート
市民の意見を聞いて令和3年3月に策定した「那須塩原駅周辺まちづくりビジョン」。新型コロナウイルス感染症により、一部の検討が見送りになっていました。新たなステージを迎えた今、ビジョンを元にした検討が再スタートします。
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