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特集 新庁舎とまちづくり(2)

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栃木県那須塩原市

■新庁舎の設計事業者が「安井・隈設計共同体」に決定。基本コンセプトは「市民公園がつなぐ開かれたみどりの市役所」。
那須塩原駅周辺のまちづくりにふさわしい庁舎はどのようなものか。設計事業者を公募し、8月25日、安井・隈設計共同体と新庁舎建設基本設計・実施設計業務に関する契約を締結した。ここでは設計事業者が公募の際に提案した技術提案書の一部を紹介したい。この提案書どおり整備を行うというわけではないが、大まかな設計思想は引き継がれる。どのような機能を設けるかなどの検討は、今年度行う基本設計業務の中で議論していく。

●新庁舎建設における基本方針
・親しみやすい便利な庁舎
・防災拠点となり、市民の安全を守る庁舎
・市民に開かれた庁舎
・環境負荷の低減に配慮した経済的で効率的な庁舎
・交流によるまちづくりの拠点となる庁舎

▽隈研吾(くまけんご)氏
1954年生まれ。1990年、隈研吾建築都市設計事務所設立。慶應義塾大学教授、東京大学教授を経て、現在、東京大学特別教授・名誉教授。30を超える国々でプロジェクトが進行中。自然と技術と人間の新しい関係を切り開く建築を提案。

▽本市の環境に適応した工夫
本市の地域ブランドである「経木」をモチーフにした庇(ひさし)のデザイン「キョウギルーフ」。強い日差しや雨を遮り、柔らかい光と風が抜ける、半戸外的で快適な交流空間を生み出す配慮がなされた提案だった。庁舎北側には、那須おろしを防ぐ屋敷林を配置するといったこの土地ならではのアイデアも盛り込まれている。

▽市民公園と市役所をつなぐ市民広場
まちのリビングでありワーキングスペースでもある交流空間。左側に位置する市民公園と右側に位置する市役所窓口をつなぐ市民活動の交差点。

▽バリアフリーな開かれた議場
木を主体とした温もりのある議場は、市民公園を臨む最上階に設置。那須連山を展望できるホールも計画される。

▽本市を特徴づける列状集落をイメージした短冊状の配置図
那須野が原の田園パッチワークを模して地域に根差した新しいまちづくりの拠点を表現した。普段使いができ、アクティビティを誘発するパッチワーク状の「市民公園」は、さまざまなプログラムから市民が選択できる提案となっていた。

●令和9年度中の開庁を目指す
市では、新庁舎の設計業務を行う事業者を5月から8月にかけて公募し、8月25日に安井・隈設計共同体と契約を締結しました。今年度から来年度にかけて庁舎の基本的なデザインや機能などを決める「基本設計」、その後、実施設計図などを作成する「実施設計」を行い、令和9年度中の開庁を目指します。

●基本コンセプトは「みどりの市役所」
今回提案された庁舎の基本コンセプトは「市民公園がつなぐ開かれたみどりの市役所」。市が策定した基本計画で示した「新庁舎建設に当たっての5つの基本方針(上図)」を踏まえながら、景観と環境に配慮し、地域に融和した庁舎となっています。
そして、予定地の敷地全体を「那須塩原をつなぐ市民公園」に位置づけ、田園と都市などをつなぐ「地域のウォーカブルなハブ」として新庁舎の空間や機能を提案しました。

●求められる機能が時代とともに変化
一昔前の庁舎は、「行政サービスを提供する場」が設計に当たっての主眼となるケースが多くありました。しかし、時代の流れとともに庁舎に求められる機能が多様化したことに伴って、最近では市民が滞在・交流するための機能に重きを置いた庁舎の整備事例が増えています。

●滞在・交流拠点…にぎわいの核
那須塩原駅周辺のまちづくりでは、にぎわいづくりを図ることが重要な取り組みの一つです。新庁舎は、駅周辺のにぎわいを創出する要素として期待されています。どのような滞在・交流拠点とするかが、駅周辺のにぎわいづくりに影響を与えることでしょう。
今後、設計業務の中で具体的な機能やデザインを検討していきます。

▽新庁舎全体のイメージ
手前の屋外広場が「市民公園」と称した滞在・交流スペース。

問い合わせ:[本]那須塩原駅周辺整備室
【電話】0287-73-5175

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