市内には守山漁業協同組合と玉津小津漁業協同組合があります。生活様式や食習慣が変化してきた現在も、琵琶湖の恵みとともに暮らす漁業者は、さまざまな知恵と工夫で、新しいファンが広がることをめざしています。
わたしたちの琵琶湖は、豊かな水、豊富な水産資源、物や人の移動手段など、古来より多くの恵みをもたらし、湖畔のまちの発展を支えてきました。
◆守山漁業協同組合
守山漁業協同組合 浦谷忠司(うらたにただし)代表
12月1日(金)からエリ漁が解禁となり、私たちは朝暗いうちから琵琶湖で漁師をします。エリの網を引き揚げる時、小鮎やジャコなどの湖魚が朝日にきらきらと輝いて、とてもきれいです。
飽食といわれる時代ですが、私たちは湖魚をおいしく食べてくれる消費者が、どんどん増えてほしいと思っています。そのために、鮮魚の直売や佃煮(つくだに)の実演、魚のつかみどりなど、まずは楽しみながら湖魚とふれあう機会をたくさん作っていきたいと思っています。実は、特産「氷魚(ひうお)(小鮎の稚魚)」の釜揚げと米や醤油など守山産食材を使ったグルメも開発中です。
◆玉津小津漁業協同組合 田中善秋(たなかよしあき)組合長
赤野井湾は波も穏やかで、古くから琵琶湖の魚の産卵場所・稚魚のゆりかごとしての役割を担ってきました。湾内の魚床で生まれ、赤野井湾から雄大な琵琶湖に巣立っていった湖魚は琵琶湖全体の漁場を豊かにしています。
赤野井湾を漁場にする私たち漁師は、湾の環境と魚床を守りながら、刺し網漁、淡水真珠の養殖、近江の伝統食フナずしの普及などに取り組んでいます。
苦労も多いですが、モロコ釣りや淡水真珠のオーナー制度など、風光明媚(ふうこうめいび)な風景の中、昔のように魚と観光客でにぎわう赤野井湾をめざし、日々活動しています。
◆琵琶湖と漁場の環境を守るために
・赤野井湾の魚床(産卵のための浮き床)の水草を除去
暑い夏・暖かい秋は、魚床が沈んでしまうほどオオバナミズキンバイが繁茂してしまいます。定期的に水草を除去して湖魚の産卵場所を守っています。
・湖底ごみの清掃
湖底には不法投棄やポイ捨てされたプラスチックなどがたくさん溜まっています。放っておくと回収が困難なマイクロプラスチックとなり、琵琶湖の水質や生態系に悪影響を及ぼすため、年に1回、市民の皆さまや学生と協力して、湖底に溜まったごみを除去しています。
・漁業者たちの一斉清掃、市民と協力した清掃日も
年に2回、市民の皆さまと協力して陸と湖上から清掃活動をしています。
それ以外にも、年に2回、漁師が琵琶湖の浮遊ごみなどを清掃する一斉清掃を行っています。
・漁船クルーズで琵琶湖を身近に
琵琶湖や河川に日ごろから親しみ、身近な存在となることで「きれいにしよう」「大切にしよう」と感じてもらうため、漁船クルーズや魚つかみなど、子どもたちや市民の皆さまの環境学習に協力しています。
問合せ:農政課
【電話・有線電話】582-1130
【FAX】582-6947
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