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佐川美術館アートコラム(68)

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滋賀県守山市

■アートの本質とは何か?
佐川美術館
主任学芸員:馬場(ばば)まどか

私たちは何かを伝えたいとき、言葉を使って表現します。会話のように声に出す以外にも、耳の聞こえない人は手話がありますし、海外の人とはボディーランゲージで意思疎通することもありますね。また、新聞や小説のように文字というツールを使うこともあります。一方でアート作品というのは、言葉とは違う手段、特に視覚的なもので作者の想(おも)いを表現します。絵の具やセラミック、デジタルコンテンツなど、時代が進むに連れて使用するツールも多様化してきました。最近のインスタグラムやティックトックもその一つと言えるかもしれません。
デジタルが普及し、より身近にアートが感じられるようになった現在では、海外の作品も簡単に楽しむことができます。アート作品は言葉を使わない性質があるので、全世界の誰でも作品に向き合うことができるといってよいでしょう。アートはまさにユニバーサルですから、世界を一つにするためのヒントが隠されているかもしれませんね。
よく、どのようにアート鑑賞すべきか分からないと言われることがありますが、私はそこに明確な答えはないと思います。アート作品を見て一人一人が思うことは自由ですし、共通の答えがあるものではないからです。好き、嫌いのように単純なものでもいいと思います。そうやって感じたことを、ぜひいろんな人と語り合ってください。自分の考えを人に伝えたり、人の意見を聞いたりすることが重要で、それらは人の心をより豊かにしてくれるはずです。アートの役割というのは、ここに本質があるのだと思います。

※開館情報につきましては、ホームページでご確認いただくか電話〔【電話】585-7800〕でお問い合わせください。

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