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壷中雑記(29)―歴史文化博物館から―

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滋賀県愛荘町

国の重要文化財金剛輪寺二天門保存修理国の重要文化財である金剛輪寺二天門の保存修理が、11月30日に完了しました。9月9日には、金剛輪寺二天門の修理現場見学会が開催されました。

■国の重要文化財金剛輪寺二天門
金剛輪寺二天門は、国宝の本堂の正面にある門で、昭和36年(1961年)3月23日に国の重要文化財に指定されています。二天門の建立年代については、滋賀県文化財保護課では様式から見て本堂より遅れて室町時代後期としています。
一方、組物(くみもの)(枠肘木(わくひじき))が古式のため、室町時代中期頃ではないかという意見もあります。
二天門は、構造形式が八脚門であり、寺伝によれば、当初は楼門でありましたが、江戸時代中頃に二階を取り壊し現在のような一重になったと伝えられます。
また、正面両脇間には金剛柵を立て、左右それぞれに江戸時代の製作とみられる仁王像を安置しています。

■金剛輪寺二天門の保存修理
金剛輪寺二天門は、昭和63年(1988年)に屋根葺替えの他、木工事、左官工事、雑工事が行われました。その後、35年が経過し屋根の檜皮葺が全体的に腐朽・破損、さらに、箱棟(はこむね)、鬼板(おにいた)等も破損が生じていました。
今回の保存修理事業では、屋根の葺替えと、破損個所の修理を行いました。令和4年度は、耐震基礎診断を実施し、令和5年度には屋根の葺替え等の修理を実施しました。
9月9日には、重要文化財金剛輪寺二天門修理現場見学会が3回に分けて開催され、合計57名の参加者がありました。
参加者は、屋根の葺替え等の修理状況を見学し、古来より用いられてきた伝統的な工法に関心を寄せておられました。

■重要文化財金剛輪寺二天門建造物保存修理事業概要
1、事業名
重要文化財金剛輪寺二天門建造物保存修理事業

2、期間
令和4年4月1日~令和5年11月30日(2ケ年事業)

歴史文化博物館学芸員 竹村吉史

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