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甲賀の文化財

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滋賀県甲賀市

■水口歴史民俗資料館スポット展示十字形洋剣─水口レイピア─
水口町梅が丘の藤栄(ふじさか)神社は文政13(1830)年に創立され、水口藩加藤家藩祖加藤嘉明(よしあき)を祀っています。水口レイピア(十字形洋剣)は、嘉明ゆかりの宝物として藩主加藤明邦(あきくに)により神社に奉納されたものですが、今年3月に報告書が出版され、詳細が明らかになりました。
この剣は柄(つか)、剣身と鞘(さや)で構成され、柄と剣身はヨーロッパ製レイピアの一般的な特徴をもちます。鞘は日本刀の鞘と同じく二枚に割った板を貼り合わせています。柄は柔らかい銅を鍍金(めっき)し、かつ握りの内部が空洞であり、実用向きで無いこと、そして日本刀と同じ構造である鞘の先にある金具には柄と同じ文様が施されることから、柄と鞘は日本製であることが分かります。
また、ヨーロッパのレイピアと比べると、柄の形は17世紀初めのレイピアと似ているため、見本となったヨーロッパのレイピアと水口レイピアは共に1610~20年代に作られたとみられます。
徳川幕府のキリスト教禁止令によって、ヨーロッパとの交流は厳しく制限されることになりましたが、水口レイピアはこうした時期の日本人による外来文化の捉え方を示すと同時に、当時の優れた金属工芸技術で作られた、おそらく世界でも唯一の貴重な遺品です。
毎年10月12日に執り行われる藤栄神社の秋の祭礼を含む約1カ月の間、水口歴史民俗資料館にて展示していますので、ぜひこの機会にご覧ください。
期間:9月16日(土)~10月18日(水)
開館時間:10時~17時
休館日:木・金曜日
場所:水口歴史民俗資料館第2展示室
入館料:200円
※市内に在住、在勤または在学される方、18歳未満及び高校生の方、障がい者の方などご本人様と同伴者様1名は無料。

問合せ:水口歴史民俗資料館
【電話】62-7141
【FAX】63-4737(FAX図書館共用)

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