■切支丹宗門御改連判帳
文政12(1829)年
この資料は肥前国平戸領の松浦郡下方村で実施された宗門改帳で、宝亀村庄屋末吉亀治と紐指(差)村庄屋石田文右衛門が作成したものである。離島を数多く抱える平戸藩では、時間的制約もあり2回に分けて、絵踏が行なわれていた。この表紙に8月とあることから2度目(秋季)のもので、庄屋の管理下で実施されている。宝亀村・紐差村ともにキリシタンと縁のある地域として知られるが、宗門改を受け入れながら信仰を維持していったことを示す貴重な資料である。
熊本大学大学院 准教授 安高啓明
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