■都市計画マスタープラン・立地適正化計画を策定します
市では現在、策定から20年が経つ「人吉市都市計画マスタープラン」の改訂と、都市計画マスタープランを補う新しい計画「人吉市立地適正化計画」の策定を進めています。両計画が示す都市づくり・地域づくりの基本的な考え方や目指す将来の姿、まちづくりの具体的な取り組みなどについてお知らせします。
◆都市計画マスタープランとは
住民に最も近い立場にある市町村が、まちづくりの将来ビジョンを確立し、地域別の整備方針、地域の都市生活や経済活動を支えるさまざまな施設の計画などを総合的に定めるものです。
◆立地適正化計画とは
コンパクトなまちづくりの実現に向けて、より具体的な施策を推進するため、平成26年8月に「立地適正化計画」が制度化されました。これは、都市計画法を中心としたこれまでの土地利用の計画に加えて、居住機能や都市機能の誘導によりコンパクトシティ形成に向けた取り組みを推進しようとするものです。
これらの計画は、少子高齢化による人口減少が進む本市でいつまでも快適に安全・安心に暮らせるまちを目指すために策定するものです。
○各種計画との関係性
◆本市が抱える4つの課題
○1.人口減少
本市では昭和40年頃をピークに人口が減少し始め、現在は約3万人です。令和22年には23,658人になると正式な機関が予測しています。その頃には65歳以上の人が生産人口(15~64歳)を上回ることも予測されていて、消費力や地域活力の低下が心配です。人口減少は市の税収の落ち込みや国からの交付金にも影響することから、市の財政がさらに厳しさを増す中で、限られた財源を広く分配することが困難になります。
○2.1人暮らし高齢者世帯の増加
平成30年度には住宅の約4軒に1軒(13,650軒のうち3,280軒)が空き家で、今後も増加していくと予測しています。高齢者の1人暮らし世帯の人が亡くなったり転居したりすることで空き家が発生する流れは、社会的な課題です。
○3.公共施設・インフラの老朽化
まちづくりの課題の一つに、公共施設の老朽化が挙げられます。学校施設は毎年のように手を入れていますが、老朽化が進んでいます。
下のグラフは、市で管理する市道について、路面が経年劣化で傷んでいく状況を表しています。市道の総延長は令和3年度時点で約411キロあり、市全域に及びます。交通の利便性や安全性を確保するためには相当な経費とマンパワーが必要です。
MCI…道路のひび割れとわだち掘れの調査結果を基に、各調査箇所の評価値を算出したもの。3.0より小さいものは早急に補修が必要とされる
わだち掘れ…道路のタイヤの通る部分だけがくぼんでいる状態
○4.公共交通サービスの利用者の減少
バスなどの公共交通は、利用者が少ないほど赤字が増え、市町村が負担するお金が必要になります。多くの皆さんに利用してもらえるよう、路線の工夫などで効率や利便性を高めることが最大の課題です。また、高齢化が進み移動手段の確保が難しい人が増える中で、公共交通が衰退すると、多くの人が通院や日常生活に支障をきたすことになることから、山間地はもちろん、市街地でも移動手段の確保は課題の一つです。
右の図は、人吉産交(下青井町)から球磨郡の町村を往復している路線バス、市内の路線を走る地域内路線バスと豆バスなどの交通路線網と、人口分布を表したものです。バス路線が市街と集落を結んでいる状況や、球磨郡の町村に至る広域の路線が、人吉産交から放射状に広がっているのが確認できます。※図は本紙をご確認ください。
問合せ:市都市計画課計画公園係
【電話】22-2111(内線2214)
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