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自治体の皆さまへ

令和5年 第2回 人吉市議会定例会 施政方針(1)

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熊本県人吉市

■みんなが幸せを感じるまち。ずっと住み続けたいまち。
令和5年3月市議会で、松岡市長が述べた施政方針の主な内容をお知らせします。施政方針とは、市政運営に対する市長の考えや主要な施策を明らかにするものです。
※広報ひとよし掲載用に表現を変更しています。
 
◆1.豪雨災害からの復旧・復興
〇豪雨災害の経験踏まえ防災対策を見直し
豪雨災害での経験を踏まえ、大規模災害など有事の防災体制の見直しに着手しました。早期避難を促す手段として、防災ラジオや想定最大規模の浸水想定区域図を全世帯に配布。また、緊急時の警報サイレンの吹鳴や、実績浸水深の標識設置、河川・気象・避難などの防災・災害情報を集約した防災ポータルサイトの構築、そして市ホームページ、市公式LINE(ライン)、ツイッター、フェイスブックなどを活用し、情報伝達手段の多重化を図っています。加えて、スマートシティ構想の一環として、水の手橋にライティング防災アラートシステムを構築しました。
被災した指定避難所については、西瀬コミセンを西瀬小に変更するなど見直しに取り組んでいます。避難所施設については、マンホールトイレや備蓄倉庫の設置、市内全小中学校体育館へ空調設備の整備などを行い、避難所運営では、スムーズな受け付けが可能となるようデジタル避難所サービスを開始するとともに、簡易ベッド、プライベートテントなどを整備しました。
 
〇地域防災力の向上へ
地域の防災力の強化策としては、自主防災組織の再構築や、地区防災計画、コミュニティタイムライン、マイタイムラインの策定支援に加え、防災の専門知識を持つ地域防災官を新たに任命し、町内や事業所の出前講座、自主避難訓練などの場で、地域の皆さまへの防災啓発活動に取り組んでいます。さらに、市内全域を対象に、水災補償が付いた火災保険などに加入された場合に保険料の一部を助成する制度を創設しています。
消防団についても、被災した詰所の復旧に加え、積載車両や小型ポンプの修繕、再取得などを行いました。
 
〇青井地区と中心市街地地区の復興まちづくり進む
青井地区、中心市街地地区の被災市街地復興推進地域での事業の進捗(しんちょく)状況ですが、青井地区では、事業主体である熊本県に対し、2月7日に土地区画整理事業に係る事業計画について国からの認可が下り、2月21日に事業計画決定の公告がなされました。この決定により、令和5年度は熊本県と連携し工事着手に向けて詳細な測量や設計を進めるとともに、換地設計とその後の仮換地の指定の開始に向け事業を進めていきます。並行して、県では、建物調査が必要となる権利者について、建物の調査・補償費を算定し、市でも、土地区画整理区域外で実施する避難路整備に必要となる用地測量を進めていきます。
中心市街地地区では、1月21日に住民説明会を開催し、紺屋町被災市街地復興土地区画整理事業に係る事業計画(案)について説明しました。参加者からは、山田川の河川整備や宅地のかさ上げなどに対して意見を頂いていて、事業計画(案)の縦覧、意見書の提出といった手続きを経て、現在、事業計画の認可に向けた申請手続きを進めています。
 
〇避難路整備で災害に負けないまちへ
避難路整備関係ですが、早く確実に避難するための路線の整備は、復興事業の重要課題であり、「災害に負けないまちづくり」を推進していくためにも、早急に取り掛からねばならない施策です。1月下旬から地区ごとに避難路整備計画の説明会を開催していて、各会場で頂いた意見も参考に、事業化路線の検討を進めていきます。
 
〇命と環境を守る緑の流域治水
球磨川流域治水対策関係ですが、令和2年11月19日に蒲島熊本県知事が「命と環境を守る『流域治水』を進め、その一つとして新たな流水型のダムを国に求める」ことを表明されています。併せて、「新たな流水型のダムが球磨川流域の安全・安心を最大化するものであるとともに、球磨川の環境に極限まで配慮し、清流を守るものである必要がある」との考えから、客観的で科学的な環境影響評価を国に求められました。球磨川流域の治水安全度の向上のため、早期完成を期待します。
球磨川水系河川整備計画の基本理念である「緑の流域治水」による、球磨川流域での「命と環境の両立」、「令和2年7月豪雨からの復旧と創造的復興」、「持続可能な発展」の実現に向け、国、県、関係機関と協働し、そしてなによりも、市民をはじめ球磨川流域にお住まいの皆さまと共に、治水安全度の向上のための取り組みに尽力していきます。
 
〇かわまちづくり計画による水辺を生かしたまちづくり
球磨川を生かしたまちのにぎわいづくりを促進することを目的とした「かわまちづくり」関係ですが、本市のかわまちづくり計画は令和2年3月に国土交通省から認定登録を受けていましたが、直後に発生した豪雨災害により計画自体の見直しを行う必要が出てきたことから、変更登録に向けた協議を昨年11月から再開しました。同計画は令和6年度中の変更登録を予定していて、今後もかわとまちが一体となったにぎわいのあるまちづくりを進めていきます。
 
〇SL人吉の保存・展示実現に向けて
JR肥薩線関係ですが、肥薩線の復旧は、今後の地域を支え観光需要の喚起を図るため、その重要性や価値はますます高まるものと考えています。これまでにも、JR九州への継続的な要望活動に加え、令和4年3月には肥薩線復旧を願うアピール集会を開催し、沿線の各団体や住民の皆さまと共にその思いを強く共有してきました。同じく令和4年3月に、国、熊本県、JR九州の三者で設立された「JR肥薩線検討会議」でも、鉄道での復旧を検討することが確認され、現在、鉄道を軸とした地域振興・活性化に取り組むための再生ビジョン・利活用策の策定に向けた調査・検討が進められています。令和4年4月に熊本県や本市を含む関係自治体で設立した「JR肥薩線再生協議会」では、復旧に向けた方策の検討や今後の利活用促進策などについて検討を重ねています。
このような中、鉄道ファンをはじめ多くの人々を魅了してきたSL人吉が、令和6年3月で引退することがJR九州から発表されています。引退後は、ぜひ人吉での保存、展示を望むといった声や要望を多数頂いていて、私もまた、最後は人吉を終着駅にしてもらいたいという思いを強く持っていることから、本市での保存、展示の実現に向け、JR九州や関係機関と粘り強く協議を重ねていきます。

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