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自治体の皆さまへ

令和5年 第2回 人吉市議会定例会 施政方針(2)

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熊本県人吉市

〇令和7年度中の全線運行再開目指すくま川鉄道
肥薩線と同じく甚大な被害を受けたくま川鉄道ですが、被災後は速やかに不通区間で代替バス運行を開始するなど、通学手段の確保に努めました。発災から1年4カ月後の令和3年11月には、肥後西村(にしのむら)駅(球磨郡錦町)から湯前駅(球磨郡湯前町)間で部分運行を再開。残りの区間も、球磨川第四橋梁(きょうりょう)の架け替えと併せ早期の復旧を目指しています。同鉄道の全線運行再開は本地域の住民にとっても悲願であり、令和7年度中の復旧完了を目指し取り組んでいきます。
 
〇被災者の生活と住まいを再建
被災者支援関係ですが、発災から約4カ月後の令和2年10月30日には地域支え合いセンターを設置し、巡回訪問などを通して被災者の健康状態や生活環境、困りごとなどをお聞きし、生活や住まいの再建に向け支援を行ってきました。同センターではこれまで延べ6万回を超える支援を実施し、支援済み世帯の割合も、1月末日現在で約85パーセントに達しています。
住まいの再建に関しては、建設型応急住宅や賃貸型応急住宅、市営単独住宅の整備などにより、住まいの確保を優先して支援してきました。このような中、応急住宅での孤立を防止し、コミュニケーションの場を創出するため、建設型応急住宅では、毎月1回、なんでも相談会やオープンカフェを開催していて、お住まいの皆さまの自主活動としても、編み物サークルやラジオ体操などを開催いただいています。
被災者の皆さまの生活や住まいの再建は徐々に進んでいるものと実感していますが、支援を必要とされている人も多数おられますので、早期の生活再建、住まいの再建のため、きめ細かな支援を継続していきます。
 
〇建設型応急住宅の利活用と災害公営住宅の建設
建設型応急住宅の利活用関係ですが、現在、西間第一仮設団地と下原田第一仮設団地は用地取得が完了しています。令和5年度は、西間第二・第三仮設団地の地権者と協議を進め、用地が確定した団地から順に、再建に向けた住戸改修や外構工事の設計などを進めていく予定です。
災害公営住宅関係ですが、相良町に建設中の買取型災害公営住宅は、令和6年1月の入居開始を目指し順調に工事を進めています。東校区地区に整備予定の買取型災害公営住宅は3月下旬には事業者を決定する予定で、入居時期は令和6年の夏頃を予定しています。入居を心待ちにされている人も多くおられますので、被災された皆さまの一日も早い生活再建、住まいの再建のため、地域住民の皆さまのご理解を頂きながら事業を進めていきます。
 
〇道路や橋などの災害復旧
中川原公園ですが、流域の治水安全度を高めるため、現在、国による公園の地盤を下げる工事が行われていて、令和5年3月までに完了する予定です。今年の秋ごろには芝張りなどの工事を市で施工する予定で、これからも市民の憩いの場として末永く愛される公園となるよう整備を進めていきます。
公共土木施設の災害復旧関係ですが、被災した道路38カ所、橋梁5橋、河川12カ所について、国土交通省の権限代行で復旧工事を行っている天狗橋を除き、令和4年度内の完了を目指し工事を行っていきます。
被災した西瀬橋も、国土交通省による迅速な仮橋の設置、その後の本格復旧により、無事、2月19日に開通しています。同橋は市民の生活道路や児童・生徒の通学路として重要な橋ですので、早期の復旧に尽力いただきました関係者に改めて感謝します。
 
〇老朽化や被災からの整備進む上下水道設備
上水道関係ですが、老朽化した原城(はらのじょう)配水池の改修は、豪雨災害に伴うのり面復旧工事のほか、基礎くい打設のための地下防空壕(ごう)の充填(じゅうてん)工事が完了しています。復旧工事が完了した西瀬橋も、引き続き配水管添架工事を実施するとともに、給水区域内の基幹管路の老朽化の度合いなどを考え、耐震性のある水道管への更新を計画的に進めていきます。
公共下水道事業関係ですが、豪雨災害で被災した人吉浄水苑は令和4年度中に復旧見込みです。雨水、汚水ポンプ場6カ所については、令和5年度の復旧完了を目指していきます。
 
〇農業者の早期営農再開に向けて
農地・農業用施設と林道の災害復旧関係ですが、被災した農地104ヘクタールと農業用施設128件、林道11路線22カ所については、一部工事を除き、令和4年度内の完了を目指しています。
豪雨災害で農業用機械や倉庫などを被災した農業者を支援する「強い農業・担い手づくり総合支援交付金(被災農業者支援型)」は、令和4年度、事業が完了しています。申請いただいた98件の農家に対し約6億4280万円を助成していて、早期の営農再開に向けた支援を行いました。
 
〇商工業者のなりわい再建を支援
被災された商工業者への支援ですが、なりわい再建支援に関しては、熊本県や人吉商工会議所、人吉しごとサポートセンターをはじめとした関係機関が連携し、令和2年度から令和4年度まで、合わせて299件の補助が採択されるなど、被災事業者の意向に沿ったきめ細かな支援に努めてきました。一方、申請を行われていない事業者も複数おられますので、令和5年度以降も申請が可能となるよう、国や県に対し今後も働きかけていきます。
 
〇人が集まり笑顔があふれる商店街へ
人吉商工会議所の主催で開催されている「紺屋町HITONOWAマーケット」は、令和4年度も7回開催されています。令和3年度から定期的に開催いただき、また、ハロウィンやクリスマスなど季節ごとに企画イベントを実施いただいたことで、市内外の皆さまに根付いたイベントになりました。会場となった人吉復興コンテナマルシェは令和5年度以降リニューアルされ、新たにスタートされますので、同マーケットも今後も引き続き開催いただき、人が集まり笑顔があふれる商店街の再生につなげてほしいと願っています。
 
〇モゾカタウンは1年延長
仮設商店街関係ですが、モゾカタウン人吉駅前は、店舗の再建の遅れや市内のテナント不足などの理由で令和5年度以降も15事業者が継続して入居を希望されていることから、設置期間を1年延長しました。入居事業者の一日も早い本格再建に向け、支援を継続していきます。

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