文字サイズ
自治体の皆さまへ

地域の人権相談パートナー~人権よもやま話

12/36

熊本県合志市

人権擁護委員
池田 一也(いけだ かずや)さん

この時期になると、今から20年前の平成15年11月に発生したホテル宿泊拒否事件で、宿泊を拒否された入所者を差別する内容の手紙が菊池恵楓園に届けられたことを思い出します。
当時の、県人権子ども集会の中で、ある女子高校生がハンセン病問題について、約8千人の参加者の前で力強く訴えました。今でも鮮明に心に残っています。一部を紹介します。
『初めて菊池恵楓園を訪ねたとき、私はその広さにびっくりしました。そこで、入所者の方に「広いですね」と尋ねると、「皆さんそう言われます。でも、私たちの一生はたったこの園内だけなんです」と言われました。その言葉を聞いたとき、私はハッとし、強い衝撃を受けました。私たちにとって広い園内も、入所者の方にとっては外の世界を見ることのできない、とても狭い世界だったのです。次から次へと涙があふれ止まりませんでした。
宿泊拒否という悲しい事件が起きました。入所者の方の悲しそうな顔が浮かんできて、私自身とても悲しくなりました。私たちにできることとして、ハンセン病問題に取り組んできた仲間と一緒に、入所者の方に「励ましの手紙」を書きました。
「私はハンセン病でした」と、なぜ、いまだにこの言葉を言えないのでしょう。この言葉を違和感なく言える社会を築いていくことが、今の私たちに与えられた大きな課題だと思います。』
という内容でした。
教育の力で豊かな人権感覚を身に付けた子どもたちが確実に育っていることを感じています。
同じ合志市に住む一人として、この史実に目を背けてはならないと強く思います。人権擁護委員としても、ハンセン病問題などの現実から深く学び、人権尊重の輪を広げることで、子どもたちが安心して暮らせる社会を創っていかなければなりません。

問合せ:人権啓発教育課 啓発教育班
【電話】096-248-2399

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU