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【菊池地域合同特集】一寸先は、詐欺。(1)

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熊本県合志市

全国的に多発している「特殊詐欺」。詐欺は人の弱みにつけ込んで財産を奪う悪質な犯罪です。被害を防ぐためにできることを一緒に考えましょう。

■令和4年 県内の特殊詐欺被害総額
3億2,941万円

■マインドコントロールをされているようだった
「自分がだまされるとは思ってもみませんでした」。ことし2月に、被害に遭った70代男性のKさんは振り返ります。
Kさんはある日、パソコンの画面に表示された『ウイルスを検知しました』という警告画面に驚き、表示された番号に電話します。最終的には、パソコン修理サポート費用の名目で、コンビニで購入した電子マネー(計14万円)をだまし取られました。
犯人と会話したKさんは「ウイルスに感染して情報が筒抜けだと言われ、さらにパソコンの専門的な話にもなり、不安で頭がいっぱいになりました。まるでマインドコントロールされているようでした」と話します。
「怪しいんじゃないの」と心配してくれた妻や、コンビニで高額の電子マネー購入を注意してくれた店員の話も聞こうとはしませんでした。「早く言われたとおりにしないと、銀行口座のお金が引き出され、もっと大変なことになる」と思ったそうです。
Kさんは自身の経験を踏まえ、誰もが詐欺に遭う可能性があると話します。「警察に被害届を出しましたが、だまされたお金は戻ってきていません。もう自分のような経験をする人は出てほしくないですね」

熊本県警察本部 生活安全企画課 犯罪抑止対策室 室長補佐
平田美和(ひらたみわ)警部

■昨年の被害最高額は約4千万円
いまだに多くの人が「特殊詐欺」の被害に遭っています。特殊詐欺とは、電話やメール、ハガキなどを使って被害者を信じ込ませ、お金をだましとる犯罪の総称のこと。県警が令和4年に被害届を受理した特殊詐欺の認知件数は100件、被害額は約3億3千万円にのぼり、件数・金額ともに過去5年間で最悪の数字です。
昨年は、県内の70代女性が過去5年で最高額となる4千万円の被害に遭っており、高額被害も相次いでいます。被害者の年齢を見ると、65歳以上が約8割。高齢者を標的に、言葉巧みに金銭を要求する傾向にあります。
「減少するかに見えた特殊詐欺被害がここ3年で増加傾向になっています」と話すのは、県警察本部犯罪抑止対策室の平田美和(ひらたみわ)警部。「詐欺の犯人は次から次に新しい手口でだまそうとしてくるため、イタチごっこの状態が続いています。その他にも、メールやSNSなどを利用した手口が拡大し、若い世代が被害を受けることも少なくありません」と語気を強めます。
県警では、相次ぐ特殊詐欺に対応するため、24時間受け付け可能な相談窓口(「電話で『お金』詐欺」ホットライン)を設置。特殊詐欺撲滅に向けて、取り組みを強化しています。

■「だまされない自信があった」約9割が回答
相次ぐ被害にこう思ったことはないでしょうか。「単純な手口になぜ引っかかるのか」「だまされる方が悪い」。詐欺に遭う人はみんな、「ニュースでこうしたことがあることは知っていて、まさか自分が被害に遭うとは」と、口をそろえます。
令和4年の県警の統計では詐欺に遭った人の約9割が「だまされない自信があった」と回答しています。「いつ、誰が被害を受けるか分かりません。特殊詐欺の被害が増加している現在、実態を知り、正しい知識を身に付けることが大切です」と平田警部は訴えます。

◇特殊詐欺の認知件数と被害額(県内)

◇令和4年特殊詐欺の被害状況(県内)
種別・認知件数・被害額:
オレオレ詐欺(19)…1億3,586万円
預貯金詐欺(1)…130万円
架空料金請求詐欺(24)…1億2,213万円
融資保証金詐欺(1)…308万円
還付金詐欺(35)…3,264万円
ギャンブル詐欺(2)…61万円
キャッシュカード詐欺盗(18)…3,378万円
合計(100)…3億2,941万円
※万円未満は切り捨て


本人や周囲の人ができることはあるのでしょうか。消費生活センターの相談員と、実際に詐欺の電話を受けた人に話を聞きました。

合志市
消費生活センター
川上直美(かわかみなおみ)相談員

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