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自治体の皆さまへ

【菊池地域合同特集】一寸先は、詐欺。(2)

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熊本県合志市

■だまされる人の心理
「役場や銀行に確認すればいいのに、そんな余裕すらありませんでした」。60代男性のNさんは、昨年の9月に、行政や金融機関の職員をかたる還付金詐欺で約100万円の被害に遭いそうになりました。
最初は怪しいと思っていたNさんは不審な点を質問。しかし、もっともらしい理由を説明されて納得させられたり、急かされたりすることで、徐々に考える余裕がなくなっていったそうです。
「詐欺被害に遭う多くの人の心は、パニック状態になっています」と話すのは合志市消費生活センターの川上直美(かわかみなおみ)相談員。「多くの詐欺では、不安、恐怖を植え付けて、精神的に追い詰めていきます。焦っているときに、正しい判断をするのは簡単なことではありません。心理的に追い込まれると、誰でもだまされる可能性があります」と続けます。
今回のケースでは、Nさんが携帯電話で話しながら現金自動預払機(ATM)を操作していたため、後ろに並んでいた女性が特殊詐欺を疑い、「詐欺だからやめた方がいい」と操作を中止するよう説得。間一髪で被害を防ぐことができました。
川上相談員は「詐欺に遭わないためには、その場ですぐに判断せず、いったん冷静に考えましょう。お金が一度犯人の手に渡ってしまったら、取り戻すことはとても困難です。特に電話で『お金』の話が出た場合は、まず詐欺の可能性を疑ってください」と対策を呼びかけています。

■「おかしいな」と思ったらすぐに相談を
犯人は、私たちに確認する隙を与えないように、巧妙に誘導してきます。もしも被害に遭ってしまった場合、残念ながら犯人からお金が戻ってくることはほとんどありません。
少しでも疑いを持ったら、話の途中でも電話を切り、家族や警察・消費生活センターへ確認・相談してください。大事な資産を守るために「もしかしたら私も被害に遭うかもしれない」と考え、特殊詐欺の対策をしていきましょう。

■特殊詐欺は私たちの近くで発生しています
「普段通りに電話に出ただけで、思いがけず詐欺被害に遭うこともあるんです」。県警の平田警部は取材の中で話していました。
近年の特殊詐欺の手口は、多様化・巧妙化しています。大切なのは「自分だけは大丈夫」と過信しないこと。普段から家族や地域で詐欺に対する意識付けをすることも大切です。
今回の特集では、被害に遭った人と遭いそうになった人の事例を紹介しています。上記のNさんは、犯人に送金する直前に思いとどまることができました。周囲の人たちが「おかしいな」と気付いたときに勇気を持って声を掛けることで、今後の被害を防ぐことができるかもしれません。
詐欺は被害者の良心や不安、弱みに付け込む卑劣な犯罪です。「特殊詐欺」は私たちのすぐそばで起こっています。被害で悲しむ人がいなくなるように、一人一人ができることを考えていきませんか。

■詐欺の手口を知ろう
「自分はだまされない」という自信が一番危険です。犯人はだましのプロ。日頃から、誰でもだまされる可能性があると考え、詐欺の手口を知り、備えておきましょう。

・「電子マネーカードを買って番号を送って」は「詐欺!」
・電話で『お金』の話は「詐欺!」
・「キャッシュカードの暗証番号を教えて」は「詐欺!」
・「ATMで還付金の手続きをして」は「詐欺!」
・「キャッシュカードを預かります」は「詐欺!」

■犯人からの電話を受けない対策を
オレオレ詐欺や還付金詐欺は、ほとんどの場合、自宅の電話にかかってきます。犯人は録音されているのを嫌がる傾向にありますので、防犯効果のある機器を使い、犯人からの電話を受けないように対策をしましょう。

・自宅の電話は常時留守電にしておく
・自動通話録音機や防犯機能付き電話機を使用する
・相手の番号が見える電話機を契約し、知らない番号は出ない

■インタビュー~郵便局員が還付金詐欺を未然に阻止
錦野郵便局(大津町)
吉田知司(よしださとし)局長

◇地域住民の財産を守りたい。詐欺が身近にあることを実感。
郵便局内で60代女性が携帯電話で話しながら現金自動預払機(ATM)を操作しているのを見かけたので、私ともう一人の職員で声を掛けました。女性は、電話相手とのやりとりを優先していましたが、「還付金がもらえる」という声が聞こえてきたので詐欺だと確信し、操作を中止するように促したことで、被害を未然に防ぐことができました。
郵便局では、日頃から利用者に声掛けを行ったり、新しい詐欺の手口などを職員で共有したりするなどの対策を行っていますが、窓口が閉まる時間や係員がいない場所を指定してくることも多いようです。大切な資産を守るため、皆さんも「怪しい」と感じたら、勇気を出して声を掛けてほしいです。詐欺被害をなくすため、一緒に見守りましょう。

相談・問い合わせ先:これって詐欺かも…。そう思ったら、迷わず問い合わせを
・「電話で『お金』詐欺」ホットライン(24時間対応)【電話】096-381-2567
・菊池市消費生活センター【電話】0968-36-9450
受付時間…(月)~(金)午前10時~正午、午後1時~4時
・合志市消費生活センター【電話】096-248-5442
受付時間…(月)~(金)午前10時~正午、午後1時~4時
・菊陽町・大津町消費生活相談窓口
菊陽町…(月)・(木)【電話】096-232-2112
大津町…(火)・(金)【電話】096-293-3111
受付時間…午前10時~正午、午後1時~4時

『ゆっぴー安心メール』は、最新の詐欺の手口をメールでお知らせしています。
電話で『お金』の話が出たら、一人で判断せずに家族や友人の他、上記の窓口に相談しましょう。

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