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〔シリーズ私たちと人権83〕~ハンセン病回復者とその家族の人権について~

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熊本県宇土市

【二度と同じ過ちを繰り返さないために、忘れないでいよう】

親や兄弟姉妹と一緒に暮らすことができない。
実名を名乗ることができない。
結婚しても子どもを産むことが許されない。
一生療養所から出て暮らすことができない。
死んでも故郷の墓に埋葬してもらえない。

こうした生活をハンセン病患者の人々は、長い間強いられてきました。
想像してみてください。もしあなたがそのように生きることを強いられた立場だったら、どんな思いをするでしょうか。

次のグラフは、「人権に関する市民意識調査」でハンセン病回復者やその家族に起きていると思う人権問題について尋ねたものです。
「(人権問題が)起きているとは思わない」を回答した人の割合は、平成26年に実施された県の調査では、7.6%だったのに対し、令和4年に実施した本市の調査では18.1%でした。この問題に対する関心が薄れてきているのではないでしょうか。

あなたは、ハンセン病回復者やその家族に関し、現在、どのような人権問題が起きていると思いますか。次の中からあてはまるものをすべて選んでください。(複数回答)

(2022年8~9月宇土市人権に関する市民意識調査より抜粋)
※熊本県 n=2,373:調査回答数2,373票をもとに割合を算出しています。
宇土市 n=877:調査回答数877票をもとに割合を算出しています。

「らい予防法」による国の誤った隔離政策が廃止され、20年がたった今も、ハンセン病に対する偏見や差別が残っていると多くのハンセン病回復者が感じています。ハンセン病療養所を出て生活している人のなかには、家族や友人に自分の病気について話していない人も大勢います。医療機関を受診しても、医師にハンセン病の既往を言い出せないこともあるといいます。
また、家族がハンセン病と診断され、療養所に収容された後、残された家族もまた、社会から偏見や差別の対象とされ、国の隔離政策で家族バラバラにさせられてしまいました。差別されていじめられたり、孤立させられたつらい経験から、ハンセン病回復者の家族は今もなお、社会に残る偏見や差別をおそれて生きています。
ハンセン病問題は、現在も進行している人権問題なのです。
ハンセン病回復者とその家族に対する根強い偏見と差別を解消するために、私たちは、この問題の現実を知り、他人事として無関心でいるのではなく、自分自身のこととして受けとめ、ハンセン病について正しい知識と理解を持ちましょう。

ハンセン病とは、感染力の極めて弱い「らい菌」による感染症のことであり、現在は治療薬により、障がいを残すことなく治癒します。有効な治療法がなかった時代に発病した人の中には重篤な後遺症を持つ人がいますが、後遺症は病気が治癒した後に残った状態のものであり、感染することは決してありません。

(引用:厚生労働省「ハンセン病の向こう側」(指導者用)、宇土市人権に関する市民意識調査)

問い合わせ:生涯活動推進課 生涯学習係
【電話】22-6510

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