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自治体の皆さまへ

宇輝人 vol.84

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熊本県宇城市

■地域に、わくわくを
◇手作りのイベント
桜香る3月。里山の一角にある海東地区コミュニティーセンターに、雨の中、キッチンカーやゲーム体験、管楽器の演奏などを楽しむ人々の笑顔が集まる。
「わくわく小川手作り作品展 and ハンドメイドマルシェ」と銘打たれたイベントの主催は「紡ぐの会」。地域を盛り上げたいという桑村靖子(やすこ)さんの思いを、家族と仲間が支える団体だ。
次女の知子(ともこ)さんが担うのはチラシ作り。小学生の頃から好きだったイラスト制作で、味のある作品に。長女の幸子(さちこ)さんはゲーム。勤める病院で行うレクリエーションを生かし、子どもが楽しめる体験を創造する。そこには、夫紀雄(のりお)さんが退職後、孫を喜ばせたいと始めた工作、割り箸鉄砲や竹ぽっくりなど昔の遊びも。紀雄さんは看板作りや会場設営でも靖子さんを支える。
メンバーの1人、山本久子(ひさこ)さんは「靖子さんは地域への思いが強い。それをチーム桑村で実現する。私も協力しながら一緒にわくわくしたいんです。」と話す。

◇抱いてきた強い想い
靖子さんは、20歳の時に、開催予定のイベントを周囲に反対されて断念した経験から、なかなか一歩を踏み出せずにいた。
退職後しばらくは家族の介護に注力。昨年3月、友人が運営するカフェのイベントに手伝いで参加した。
「実家のミカン販売や紙芝居をした雰囲気が楽しくて。こんなふうに人が集まれる場所を小川でも作りたいと強く思いました。」
それでも、イベントづくりはド素人。手探り状態から、SNSなどで情報を得ては、色んな場所に足を運び、出会った人と交流しながら空気感や技を学んだ。
これまで開催した3度のマルシェは、全て別会場。「場所を変えるとお客さんも出店者もその場所を覚える。みんなに地域の良さを感じてほしい。」と靖子さん。
7月には、バンド演奏や歌、炎の宴で癒やしを提供するイベントを開催予定。
「コロナもあり、地区では今は運動会やレクリエーションもなくなりました。楽曲はもちろん、来場した人たちとのふれあいも癒やしの時間。生活がパターン化してしまう高齢者にこそぜひ来てほしい。外に出て物を見るだけでいい刺激になりますから。音と炎が織りなす紡ぎの時間を楽しんでほしいですね。」
メンバーの松本倫取(みとり)さんは「マルシェで近所の年配の人が楽しむ姿を見るとうれしい。これでいいんだ、靖子さんの思いが実現できたんだと思いますね。」と語る。
毎回反省を欠かさない靖子さんは、どんな出会いでも勉強だと話す。次はそんな人たちと企画し、農家さんや体験施設を巡るツアーを作ってみたいと夢見る。
地域やお客さん、出店者。お互いにさまざまな関係を紡ぎながら、全ての出会いに感謝していく。

●紡ぐの会 Tsumugu-no-kai
令和4年4月、小川町海東地区在住の桑村靖子さんとその家族を中心に結成。友人の山本久子さんやパッチワークの師匠松本倫取さん、地域に詳しい西村健けんじ二さんもメンバーに。小川町各地でマルシェやオルゴールコンサートなどを開催。

イベント詳細:
【電話】090-5744-1425

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