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自治体の皆さまへ

宇輝人 vol.85

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熊本県宇城市

■電話でつなぐ心と心――。
◇電話で届ける思いやり
「おはようございます。調子はどうですか。」顔が見えなくても笑顔と分かる明るい声で電話をするのは、もしもし電話訪問ボランティアの皆さん。高齢者の孤独死を防ぐために昭和63年に松橋町で設立。社会福祉協議会内の宇城市ボランティア連絡協議会にある9つのボランティアグループの一つだ。今では市内全域を対象に活動している。
現在メンバーは7人。主な活動は週1回、1人暮らしの高齢者へ2人1組で電話をかけての安否確認。「声を聴くと体調がなんとなく分かるので、相手の調子を確認しながら声掛けを行っています。」と語るのは、9年間活動を続ける中山さん。
安否確認だけでなく、相手の体調や今日の天気、最近あったことなどの世間話も。電話を受ける山口志津子(しづこ)さんは「たわいのない話ですが、話し相手がいることはとてもうれしい。天気が悪い日は体の調子が良くないので、それを心配してくれてありがたいです。今週は誰がかけてきてくれるんだろうと毎週楽しみにしています。」と話す。電話をするメンバーが変わっても、同じように話ができるのはメンバー間で共有している活動記録のおかげ。細かいメモで情報を引き継ぎ、声を掛ける。
お互いの意見や気付きを言い合うのが月1回の連絡会議。「あの人は最近特に異常はないみたい。」「あの人はこの前まで体調が良くなかったみたいだけど、最近は草むしりができるくらい体調が良いようだ。」と多くの声が飛び交う。電話相手を思いやり、本当に心配しているからこその光景だ。

◇やりがいと大事なこと
「電話だけで顔を合わせたことはなくても、名前を覚えてくれたときはうれしいです。最初は『お元気ですか、お変わりないですか。』とこちらからの声掛けくらいだったのが、『久しぶり、元気にしてた。』と逆に聞いてもらえるようになり、今では世間話ができる仲になりました。相手が喜んでくれると、こちらもやりがいを感じますね。」と入って1年目の德永さんはほほ笑む。5年目になる松尾さんも「電話をしているとお互い優しい気持ちになれるし、私たちも楽しい。自分ができるときにできることをする、というのがボランティアでは大事だと思います。」と話す。
お互いの顔が見えない分、話すときに気を付けることも多い。声のトーンや明るさをはじめ、不快にならないような言葉遣いや適度な距離感を保つことにも意識を置く。

◇今だからこそ気付くこと
「新型コロナのまん延で、多くの団体が対面でボランティア活動ができない状況の中、もしもし電話訪問の活動はできていました。人と接触する機会が減っていった状況だからこそ、電話で話す大切さを改めて感じました。」と代表の髙木さん。
今日も鳴るもしもし電話訪問の思いのこもった電話が、誰かの心を温めていく。

●もしもし電話訪問ボランティア
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昭和63年3月設立の社会福祉協議会のボランティア団体。現在7人で1人暮らしの高齢者へ週1回の安否確認の電話を行っている。
メンバー募集中。

問い合わせ:宇城市社会福祉協議会 地域福祉課
【電話】32-1055

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