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自治体の皆さまへ

こころの声に耳を傾けて あなたも誰かのゲートキーパー

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熊本県宇城市

9月10日~16日は「自殺予防週間」

ゲートキーパーは「命の門番」とも呼ばれ、悩んでいる人に気付き、声を掛けてあげられる人のこと。
特別な研修や資格は不要です。周りに悩んでいる人がいたら優しく声を掛けてみましょう。
誰もが、それぞれの立場でできることから進んで行動を起こしていくことが、自殺を防ぐ第一歩になります。

■自殺の現状
平成18年の自殺対策基本法制定以降、自殺者数は3万人台から2万人台に減少するなど、着実に成果を上げていました。
しかし、新型コロナウイルス感染症拡大の影響などで、11年ぶりに前年を上回り、令和4年には小中高生の自殺者数は過去最多に。
日本の自殺死亡率は、G7諸国の中で最も高く、自殺者数も毎年2万人を超える水準で推移していることからも、非常事態はいまだに続いています。

くまもと心療病院で、悩んでいる人やその家族の相談に乗っている桑島さんに、経験を踏まえゲートキーパーとしての寄り添い方などを伺いました。

■くまもと心療病院 公認心理師 桑島梨沙(くわしまりさ)さん
◇命を守るために 情報を選ぶ
今は、テレビやインターネットなどのさまざまな手段で、手軽に情報を得ることができる時代です。ただ、衝撃的なニュースや映像もあり、私たちに悪影響を及ぼす場合もあります。
2020年は、著名人の自殺のニュースが立て続けに流れ、その10日前後の自殺者数が増えました。
「いのち支える自殺対策推進センター」のホームページでは、「自殺の手段を明確に表現しない」「センセーショナルな見出しを使わない」など、メディア向けに自殺の報道をするときのお願いが掲載されています。情報を受け取る私たちも、こうしたショッキングな報道を見て影響を受けそうなときは、テレビを消したり、ネット上のページを開かないなど情報から距離を置き、ゆっくり深呼吸やストレッチをして気持ちを落ち着かせてみましょう。

◇気負わず 寄り添う
ゲートキーパーの役割は、専門知識がなくても、誰でも担うことができます。身近な人が声を掛けるだけで、人に「相談しにくい」「話せない」と孤立する人の、心の負担を減らせることがあります。
自殺原因は、さまざまな要因が重なっているといわれます。どうにもならないと思い詰め、「死ぬしかない」という考えに至っているかもしれません。まずは「元気なさそうだけど、何かあったの」「最近眠れてますか」などと声を掛け、話しやすい環境で、ゆっくり話を聞くことが大切。本人が話せなかったときには、いつでも聞く用意があると伝えてください。
相談を受ける中で「死にたい」と口に出す人、リストカットや薬を大量に飲むといった自傷行為をする人、酒量が増えている人などがいます。そんなとき、周りの人が「自殺はだめ」「なぜそんなことをするの」と責めたり否定したりせず、「その時どんな気持ちだったの」「つらいことがあったんだね」と言葉を受け止めましょう。
話を聞く中で「死にたい、消えてしまいたいと思いますか」と尋ねることもあります。具体的に聞くことで、自殺以外の選択肢を考え直す時間を与え、自殺を防げる可能性が高まります。
一人で悩んでいる人にとって、話を聞いてくれる人、一緒に考えてくれる人がいることは安心につながります。
普段と様子が違うと感じたら、まずは声を掛けてみましょう。話を聞いた人も一人で背負わず、かかりつけ医や専門の相談員につなぐことを勧めて、一緒に見守っていきましょう。

問合せ:社会福祉課 
【電話】32-1387

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