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自治体の皆さまへ

宇輝人 vol.87

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熊本県宇城市

もっと強く―。更なる高みへ。

■ボクサー 江村明音
会員は100人超、数多くの有名選手を輩出する宇土市の名門、吉田ボクシングジム。そこに所属するのが江村明音さん。2年連続で全日本アンダージュニアボクシング王者に輝いたスーパー中学生だ。江村さんは4年前、極真空手のパンチ力を上げるために弟と一緒にボクシングを始めた。
ジム会長の吉田龍生(りゅうせい)さんは長所を伸ばすのが指導方針。「彼女のすごいところは、パンチ力と距離感の良さ。センスがいいのもありますが、それ以上にすごく負けず嫌いで、きついときでも頑張れる子ですね。」と評す。

■ボクシングの魅力
休憩中は終始笑顔で周りの人と話す江村さん。しかし、練習になるとその表情は一変する。「ボクシングの魅力は、自分が少しずつ強くなっているのを実感できること。教わったことを大会で発揮できたときはとてもうれしい。」と話す。年齢が上で体格も違う相手と試合をすることが当たり前の環境で、精神面も強くなったという。
幼い頃はぜんそく持ちで肺が弱かった江村さん。10歳まで習っていた水泳で肺が強くなったことも今の強さにつながっている。ボクシングは体重制限があり、試合までに調整が必要。月に2、3キロ体重を落とすこともある。「女の子の体は痩せづらいので2キロ体重を落とすのも大変。普段から汗をかきやすくするために意識して水を飲むようにしています。」と日頃からの意識も高い。

■学校生活との両立
通う九州学院中には勉強での特待生で入り、入学式では新入生あいさつを務めた。「中学の友達とよく遊びますし、いろいろな場所から通っている子が多いのでいい刺激をもらえます。」と学校生活も楽しむ。
普段は、空手、ボクシング、塾を掛け持ちしていて多忙だ。「毎日送迎をしてくれる、両親の協力があって今の生活を続けられています。」と親への感謝を忘れない。父親の大輔(だいすけ)さんは「ジムには吉田会長をはじめ、プロでタイトルを獲得した選手やボクシングが有名な大学出身の人たちが在籍していて、とても良い環境でボクシングができています。娘が頑張っているので、私もしっかりとサポートしたい。今、何かに一生懸命打ち込んでいることを財産にして、将来の選択肢を増やしてほしいです。」と語る。

■初めての挫折と次の目標
中学生になると競技人口が増え、周りのレベルも一気に高くなった。今年の全国大会に向けた九州代表選考会では、初戦で中学3年生相手に善戦したが惜しくも2対3の判定負け。これが江村さんにとって初めての敗戦となった。対戦相手はその後優勝するほどの強者だったが、かなり落ち込んだという。「次の大会は絶対に日本一になります。」と意気込む表情は気合い十分だ。
江村さんにとってボクシングとは「自分を日々強く、高めていってくれるもの」。今の目標は次の大会での優勝、将来の夢はオリンピックで金メダルを取ることだ。

今よりもっと強く―。笑顔で話すその目はもっと先まで見据えていた。

■江村明音 Emura Akane
平成22年生まれで松橋町在住。九州学院中学校1年生。吉田ボクシングジムスタイルトップ所属。極真空手では小学3・4年生女子新人戦や令和5年極真空手第34回全九州空手道選手権大会組手中学女子無差別級の部で優勝。ボクシングでは令和3年から2年連続で全日本アンダージュニアボクシングチャンピオンになった実力者。

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