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自治体の皆さまへ

令和5年度 施政方針(1)

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熊本県球磨村

令和5年3月議会で、松谷村長が述べた施政方針を掲載します。
※広報くまむら掲載用に表現を変更しています。

■はじめに
令和2年7月豪雨から2年8カ月が経ちましたが、その間も被災された皆さまの一日も早い生活再建を最優先に、全力で取り組んできました。
現在、道路などのインフラは復旧が進み、先日は神瀬地区の宅地かさ上げ事業の着工式が行われました。
また、渡および一勝地地区の災害公営住宅については今年の夏に、塚ノ丸団地も令和5年度中には第1期分を供用できる見込みであり、復興に向けての歩みを着実に進める中で一つの節目を迎えようとしています。
一方で、現在も仮設住宅などでの不自由な暮らしを余儀なくされている方が多くおられる中、昨年の9月には人口が3千人を割り込み、被災者の生活再建と並行して人口減少対策が急務となっています。
令和5年度におきましても復興への歩みを止めることなく、球磨村復興計画に掲げる「災害に強く、豊かな地域資源を後世に継承し、住民が安全に安心して住み続けられる山里『球磨村』の復興」を目指していきます。
また、平成31年度に策定した第6次総合計画の後期基本計画と復興計画の一本化に併せて、「球磨村人口ビジョン」も見直すことで、持続可能な村づくりを進めていきます。
復興には長い年月と多くの財源、そして人材も必要となります。最優先すべき課題に対応したメリハリのある予算編成を行いつつ、中長期財政計画と照らし合わせながら計画的な財政運営が必要となります。
人材におきましては、他自治体からの派遣職員の方々のご協力と任期付職員を採用し、復旧・復興事業に取り組んでいますが、令和5年度はさらに派遣職員数が縮小となる見込みであり、真に必要な事業の選択と効率的な予算の執行を行っていかなければなりません。
このほか社会情勢の変化に伴う物価高騰や経済対策への迅速な対応も求められることから、国・県の動向などを注視しながら、支援を講じる必要があります。
令和5年度予算につきましては、地方交付税の交付額が不透明な中、厳しい予算編成となっていますが、先延ばしができない復旧・復興関連事業につきましては、財政調整基金などを適切に活用し、着実に進めていきます。
これらにつきまして職員全体で共有したうえで、球磨村復興計画に掲げる基本目標に基づき、必要な事業のうち優先順位の高いものから予算編成を行いました。

◆(1)村民の生活再建
○「くらし」被災者の生活再建
「被災者の生活再建」については、渡および一勝地地区の災害公営住宅の建設を目標とする夏までに完了させるよう取り組むと共に、神瀬地区につきましても、小規模住宅地区等改良事業を活用し、令和5年度中の完成を目指します。
また、塚ノ丸団地の宅地整備については、令和5年度中の第1工区27戸分の土地の引き渡しに向け、県と連携して整備を進めていきます。
木造仮設住宅については、有効活用の観点から県から譲与を受け、球磨川流域復興基金などを活用し、村有住宅として改修する予定としています。
さらに、従来の住宅リフォーム助成金に加え、木造住宅建設に対する補助金を創設し、定住促進を図っていきます。
次に「子育て・教育環境の再生と安心して学べる環境づくり」については、スクールカウンセラーなどの配置により、児童・生徒に対する心のケアを図るとともに、ICTを活用したオンライン学習を学校だけでなく、家庭学習でも充実させるため、小中学生がいる世帯のインターネット利用料の一部助成を継続していきます。加えて、子育て世代への支援としまして、保育所の保護者負担金や保育所副食費の助成、子ども医療費の助成、そして、学校給食費においては、これまでの半額から全額へと助成額を増額するとともに、高校生などに対しては、1人あたり月額5千円を補助し、通学や就学に対する経済的支援を行います。
これら子ども・子育て支援の充実を図ることで、生産年齢人口の減少に歯止めをかけ、未来を支える世代の育成に努めていきます。
なお、村内の小中学校につきましては令和6年4月から9カ年一貫教育の義務教育学校「球磨村立球磨清流学園」として開校します。現在、開校準備と並行して各学校の閉校に向けた準備を進めているところです。
今後も、議会や住民の皆さまには丁寧な説明を心掛け、将来を見据えた教育環境の整備を進めていきます。
次に「日常生活や移動等生活環境の早期復旧と利便性向上」につきましては、災害以降、運賃無料の予約制で運行していましたコミュニティバスを、4月から全路線で運賃を100円とし、一部区間を除いて定時運行に戻します。併せて利用者の実態を把握することで、村民の皆さまにとって、より利便性の高い公共交通体系の再編を検討していきます。
また、JR肥薩線の復旧に向けて、継続して沿線の自治体と共同で早期復旧のための要望を行っていきます。

○「きずな」地域コミュニティの再生と脱炭素のむらづくり
「地域コミュニティの再生と脱炭素のむらづくり」については、未だ多くの方々が仮設住宅などでの生活を余儀なくされていますので、地域支えあいセンターを中心とした見守りや生活相談、戸別訪問などについて、医療、福祉、行政の各機関が連携し、生活への不安を取り除けますように、きめ細やかな支援を継続していきます。
また、地域コミュニティの再生については、共助のむらづくり補助金の補助対象を見直し、地域の環境美化活動などを支援しつつ、災害公営住宅のコミュニティ形成や、住民が主体となる復興に寄与する取り組みの支援を行っていきます。
脱炭素社会の実現に向けては、環境に配慮したソーラーパネルなどの設置や小水力発電の事業可能性調査を進め、また、熊本大学が環境省から受託した中山間地域で進めるEVマイクロバスの評価検証事業を継続するとともに、児童生徒への環境教育も推進していきます。

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