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菊池人(123)~後世に 技術をつなぐ~

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熊本県菊池市

■左官職人 荒木新勝さん
[Profile]あらき・しんかつ
昭和34年3月23日生まれ。中学卒業後、市内の建設会社に就職し18歳で左官職人の道に入る。22歳で独立し、平成元年には左官に加え土木や建設を請け負う会社、(株)緒方建設工業を設立した。令和4年からは市建設業協会長を務める。64歳。玉祥寺区在住。
職人たちを指導する土壁の見本の前で。左官は、古い建物を蘇らせる伝統技法から、最新の工法を取り入れて魅せる技術までさまざま。「左官職人は臨機応変な対応が必要。奥深い仕事だよ」

「今の自分があるのは周りの人たちのおかげ。家族や従業員には本当に感謝しているよ」。厚生労働省が卓越した技能者を表彰する「現代の名工」。昨年、県内で唯一選ばれた左官職人は今までの半生を振り返る。
手に職を付けたいと18歳で左官職人に弟子入りした。親方の技術を“見て盗む”ことが当たり前の時代。厳しい指導に心が折れかけたこともあった。「自分で決めた道だから意地でもやり抜きたかった。どうすれば上手くいくか常に意識したよ」。必死で腕を磨き、4年後に独立した。
当時は外壁や塀の多くを漆喰で仕上げており、住宅建設に左官は無くてはならない存在。そんな中、もうけの少ない仕事でも貪欲に引き受け、顧客や仲間との信頼関係を築き上げてきた。「技術だけではなく、信用も高めたかったんだ」
平成30年に亡くなった妻・浩子(ひろこ)さんの支えも大きかったという。「俺がどんぶり勘定で仕事を受けてくるからよくけんかしてね。会社を法人化した時もそうだった。でも最後にはいつも背中を押してくれた。浩子のおかげで今がある」と目を細める。
昨年5月までの7年間、県左官協同組合の理事長として技術継承にも尽力してきた。「住宅様式が変わり、職人の数が減った。でも伝統的な建築物の補修には左官職人が必要不可欠。先人から受け継いだ技術を後世に引き継ぐためにこれからも活動を続けたいね」

■「菊池人」希望者を募集します
新しいことに挑戦している人、伝統を受け継いでいる人など、菊池で頑張っている人を募集します。本市在住であれば自薦・他薦は問いません。詳しくは市長公室までお問い合わせください。

問い合わせ先:市長公室広報交流係
【電話】0968-25-7252

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