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自治体の皆さまへ

立ち直りを支える地域の力(2)

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石川県加賀市 クリエイティブ・コモンズ

■安全安心のまちづくり。それが保護司の役目。
保護司会会長日下賢城さんにお話を伺いました。

▽保護司になったきっかけは?
50歳のときに、知り合いからの誘いを受けて保護司になり、19年目になります。

▽どんな活動をしていますか?
誤って犯罪をしてしまった人の立ち直りのお手伝いをしています。定められた保護観察期間に何度も面談し、「何の仕事を今しているのか」「交友関係は?」など、対象者に寄り添って、いろいろなお話をします。仕事や居住地が決まっていなければ、探すお手伝いもしますね。ただ、現在は全国的に犯罪件数は減少しているので、非行防止とか犯罪抑止への活動が多くなっています。
保護司として、学校の先生や、会社の社長、サラリーマン、主婦の人、定年退職した人など、計57人がボランティアとして現在活動しています。

▽やりがいを教えてください
更生してくれることが一番嬉しいですね。ですが、現状は難しいです。何人かの対象者を担当すると、なかなか上手くいかず、心がくじけそうになります。それでも、話を聞き続けて心を開いてくれたときや、保護観察期間後に偶然会ったときに「結婚して子どもができました」と報告されたとき、保護司の仲間から「昔、担当していた子が、加賀を離れる前にもう一度会いたがっていたよ」と聞いたときは、「保護司を引き受けてよかった」と思いましたね。

▽活動環境はどうですか?
難しい案件が多く、精神的に大変な活動なので、事務所では明るい雰囲気にするよう心掛けています。あたたかい環境ですよ。
11年前、市民会館の一室にサポートセンターが開設されました。隣に社会福祉協議会もあるので横の連携が取れています。市も全面的に協力をしてくれているので、安全安心のまちづくりにつながっています。

▽再犯防止推進計画への思いを教えてください。
再犯防止推進計画の策定により行政機関が前面に出てきたことで、活動がしやすくなります。例えば、再犯防止のためには、住居や仕事が必要です。偏見なく、そういう人を受け入れてくれる場所の検討や、協力雇用主の確保について、市が取り組みを進めてくれています。登録された働く場所の中から、保護司は選ぶことができるようになります。
みんなが立ち直りを拒否してしまうと、また罪を犯してしまう。罪を犯してしまうと、被害者が出てしまう。再犯させないことで、被害者を減らすことが安全安心のまちづくりにつながると思っています。

■協力雇用主を募集しています
協力雇用主とは、犯罪や非行をした人の自立や社会復帰に協力することを目的とし、犯罪をした人たちを雇用、または雇用しようとする事業主のことです。
犯罪や非行をした人たちが再犯や再非行に至らないためには、仕事に就き、職場に定着して、責任ある社会生活を送ることが重要です。
保護観察終了者のうち無職者の再犯率は有職者の約3倍で、刑務所再入所者の約7割は再犯時に無職です。刑務所出所者等への就労支援を効果的に実施し、再犯や再非行を防止するためには、協力雇用主の存在が不可欠です。
▽事業者のみなさまへ
再犯を防止し、未来の被害者を減らす雇用という社会貢献があります。仕事を通じて更生を支える協力雇用主になってみませんか。

問合せ:
金沢保護観察所【電話】076-261-0059
加賀保護区保護司会サポートセンター【電話】0761-75-7428

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