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地域医療最前線!公立河北中央病院赤ひげ通信

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石川県津幡町

■脊椎圧迫骨折を予防しましょう!
河北中央病院理学療法士 野崎陸斗

▽脊椎圧迫骨折について
脊椎圧迫骨折は椎体(背骨)の骨折で、高齢者に多い骨折のひとつです。骨粗しょう症の高齢者の方では、転倒や勢いよく座っただけでも骨折してしまうことがあります。一度受傷するとほかの椎体の圧迫骨折の受傷率が高くなると言われており、その確率は、受傷後5年間で2・4倍、2か所以上の圧迫骨折があると4・9倍になると報告※されています。

▽脊椎圧迫骨折の治療について
基本はコルセットで骨折箇所を固定しますが、重症な場合や痛みが続く場合は手術が検討されます。そしてリハビリテーションが欠かせません。コルセットをつける前から始め、筋力や身体能力の低下を予防します。また、痛みを引き起こしにくい動きや症状を悪化させる動きなどを学び、受傷前に近い生活を送ることを目標にします。

▽脊椎圧迫骨折の予防について(3つ)
(1)栄養管理
特に骨粗しょう症の方は圧迫骨折やほかの骨折も受傷しやすいので、これを予防するために骨を強くする必要があります。カルシウムは骨の量を増やすために必要ですが、ビタミンDも重要とされています。また、骨の質を高めるビタミンB群や葉酸も必要です。ビタミンDはキノコ類や魚類、ビタミンB群や葉酸はレバーなどに多く含まれています。

(2)運動(ウォーキングとスクワット)
ウォーキングは週に3回ほどを目安に行いましょう。屋外では日光を浴びることでビタミンDを活性させることもできます。ビタミンDを活性させるために必要な時間は30分程度です。
スクワットは、転倒を防ぐために背中、お尻、太ももの筋肉を強くしてバランス能力を鍛えます。真っすぐに立ち、足の幅は肩幅より少し広げ、つま先は少し外側に向けます。曲げた膝がつま先より前に出ないように注意して、お尻を後ろに突き出すように膝をゆっくり曲げ、腰を落としましょう。10回1セット、1日に3~5セットが目安です。
どちらの運動も無理のない範囲で行いましょう。

(3)生活動作
ゆっくり座る、重いものを持つときはしっかり腰を落とす、良い姿勢を意識することなどです。また、転倒しないように環境を整えることも必要です。

▽まとめ
脊椎圧迫骨折を予防するポイントは以上です。一緒に脊椎圧迫骨折を予防しましょう!

※研究論文
A retrospective study evaluating the correlation between the severity of intervertebral disc injury and the anteroposterior type of thoracolumbar vertebral fractures

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