地域医療最前線!公立河北中央病院赤ひげ通信

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■NST(栄養サポートチーム)
河北中央病院看護師　西盛一美
「NST」という言葉を新聞やテレビなどで聞いたことがありますか?
「NST」とは、Nutrition Support Teamの略で、入院患者さんに最適な栄養療法を提供するために、多職種で構成された医療チームのことです。
当院では、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師、理学療法士、言語療法士が参加して栄養療法を提案し、治療の支援を行っています。
入院患者さんの栄養状態を評価しながら、栄養状態の改善・治療効果の向上・合併症の予防・QOL(生活の質)の向上などを目的としています。特に問題がある患者さんについては、必要に応じてチームで回診を行っています。
高齢者の方々は、加齢により発生するさまざまな理由(嚥下状態の悪化、食欲不振)により栄養障害に陥るリスクが高くなります。食事量が減れば体力も減少するため、活動量も減ってしまいさらに食欲が低下し、低栄養を招きます。うまく体を動かすことができないと、認知機能も低下して日常生活が普段のように送れなくなる場合もあります。
つまり、栄養状態が悪いと、体力を始めとしたあらゆる機能が低下し、治療を受けても疾病や怪我などの回復に時間がかかってしまいます。
そのため、速やかな栄養状態の改善が必要となります。適切かつ質の高い栄養管理の提供は、疾患の早期回復および重症化や合併症の予防に大きく関わります。栄養障害やそれによって引き起こされる感染症、褥瘡(床ずれ)なども防ぐことができます。
短期の入院であっても患者さんに最適な食事や栄養補給方法を提供することは、退院後の食生活や栄養管理の改善にもつながると期待されています。