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地域医療最前線!公立河北中央病院赤ひげ通信

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石川県津幡町

■糖尿病の検査
河北中央病院臨床検査技師 南山愉佳
糖尿病は、すい臓から分泌されるホルモン「インスリン」の量が足りなかったり、うまくはたらかなかったりして、食べたものの糖分(ブドウ糖)が、体のなかでうまく利用できなくなる疾患です。糖尿病が進行すると、さまざまな合併症を引き起こすことがあるので注意が必要です。
糖尿病やその合併症の診断、治療にはいろいろな検査を行いますが、健康診断などでも行われることが多い、基本的な血液検査項目である「血糖値」、「ヘモグロビンA1C(エーワンシー)」について紹介します。

▽血糖値
血液のなかに含まれるブドウ糖の量です。食事をとると上昇するため、検査は、空腹時(10時間以上の絶食後)に行うのが基本です。空腹時血糖の基準値は70~109mg/dLです。
糖尿病では、血糖値がこの数値より高くなることが第一の特徴です。

▽ヘモグロビンA1C(エーワンシー)
血液のなかには赤い色のもとである「赤血球」という物質があり、この赤血球のなかに「ヘモグロビン」という、体内で酸素を運ぶはたらきをする物質があります。ヘモグロビンに血液のなかのブドウ糖がくっついたものが、ヘモグロビンA1Cです。ヘモグロビンA1Cはだいたい過去1~2か月間の血糖値の状態を示し、基準値は4.9~6.0%です。この数値より高いということは、過去1~2か月間、血糖値が高い状態であったことを意味します。ちなみに、血糖値とは異なり食事の影響は受けません。明日検査だからと前日だけ食事療法をしっかりしたとしても、この数値が高ければ、過去に血糖値が高かったことが分かってしまいます。
健康診断などでこれらの数値が高い場合、「糖尿病疑い」として精密検査を受け、糖尿病かどうかを診断します。また、糖尿病の治療においてもこれらの検査を定期的に行っていきます。
糖尿病は、進行するまであまり症状はありませんが、進行すると重篤な合併症を引き起こす命にかかわる疾患です。定期的な健康診断などで糖尿病を早期に発見して治療につなげること、また治療においては定期的な通院を欠かさないことが大切です。

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