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まちかど a street corner(237)

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石川県津幡町

■ふり返れば余韻の津幡―傾斜と高低差―
町内の各地区公民館を廻り、歩いて話を聞いて来た。そこから何か残ったテーマがあればと反芻するようなものを考えてみたい。浮かんだのが、「傾斜」「高低差」である。
津幡町は河北潟に近いところが最も低く、国土地理院の電子国土を見ていく。河北潟沿岸でカーソルを持っていくと、町域内で画面の実測でも1m以下の数字が出る。さて最高地点だが、私も含めて三国山、河合山のその奥かなと予想されている人が多いのではないかと。実際には地図で見ても、津幡町域は北西方向に細く伸び、宝達山の東側まで町域なのである。大海川の支流である瓜生川の源流である。その標高は631mである。これは各自治体で最も標高が高いところを集めたサイトで出ている。これを県内市町と比較すると、1位は白山市の2,702m、以下1,000m級で金沢市、小松市、同じ高さで加賀市、宝達山637mのある宝達志水町、その次が津幡町である。意外と高い位置にある。潟と平野はともかく、丘陵もあり、傾斜のある山地もあるのである。
さて、傾斜と云うと津幡駅から倶利伽羅のトンネルまでが傾斜があって、北陸線開通時には機関車は単独でそこまで登れなかったという。今は国道8号トンネルとなっているが、旧道繋いでさらに小矢部市側から見れば、結構傾斜があることを知る。信号所が倶利伽羅駅の前身であることを知ったのも傾斜が元なのだ。
わずかな高低差が明暗となる。市街地から周辺地域を中心とした今年の水害で、改めて傾斜及び高低差を再認識した。水はかならず水平に溜まる。高さの違いで水面が変わる。少しの高低差で浸水するところとそうでないところが出た。普段意識しない「差」が等高線に沿って目に見える形となった。
津幡ふるさと歴史館れきしるがある高台。元津幡小学校、さらに津幡城跡、そこに上がると分かるのは、遮るものがない津幡から金沢市内までの眺望は見事。街道の分岐点でかつ、見晴らしのきくここに城を築く道理である。高低差を改めて見直した。

▽谷本亙(たにもとわたる)
津幡町潟端在住。まち&むら研究所代表。
伝統工芸品、日本酒、農産物及び加工品開発、観光調査などに関わる。
現在、各種事業支援活動を中心に、農企業の役員、医療関係のNPO法人などの役員を努めている。

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