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地域医療最前線!公立河北中央病院赤ひげ通信

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石川県津幡町

■手首の骨折について
作業療法士 市川翔悟
冬は厚着で動きにくかったり、寒さで筋肉も思うように動かせなかったりと、転倒のリスクが多くなる季節といえます。高齢者や骨粗鬆症がある方は、転倒することで骨折してしまうことがあります。今回は、手首の骨折について説明します。
手首の骨折は「橈骨遠位端骨折(とうこつえんいたんこっせつ)」と呼ばれるものが多いです。橈骨(とうこつ)とは、肘から手首にかけてある骨で、親指側についています。転倒して地面に手をついたときに骨折することが多いとされています。
橈骨遠位端骨折(とうこつえんいたんこっせつ)は高齢者に多い骨折のひとつとされており、橈骨遠位端骨折(とうこつえんいたんこっせつ)を受傷すると、手首に強い痛みや腫れが生じて動かすことが難しくなります。
治療は、ギプスなどで固定する「保存療法」が選択されやすいですが、骨のズレが大きい場合などでは手術による「固定術」が選択されることもあります。また、どちらの治療法においても、手首の動かしにくさだけではなく、筋力低下、場合によっては腕全体の機能低下を引き起こす可能性もあり、機能低下を起こさないためにも、早い段階からのリハビリテーションが重要になります。リハビリテーションでは、手首のストレッチや指・肩などの運動に加えて、腕の使い方の練習をしたりします。また、必要に応じて、超音波や温熱などの物理療法も行い、元々の能力の回復を目指します。ここまでの治療で早い方では2~3か月、長い方では半年以上の時間を必要とする方もいらっしゃいます。
橈骨遠位端骨折(とうこつえんいたんこっせつ)の予防としては、骨折全般に言えることですが「転倒しない」ということが非常に重要です。転倒しないために、転倒しない体づくり(筋力トレーニング・バランス練習)や、環境づくり(床にたくさん物を置かない・段差を目立つように工夫する)、転倒しても折れにくい骨作り(骨粗鬆症の予防・早期発見・治療)が必要です。
毎日の生活や環境を工夫して、骨折しないように過ごしていきましょう。

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