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【特集】地元食材を地元で消費 厚木の農産物を食卓に(1)

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神奈川県厚木市

皆さんの食卓に並ぶ野菜や肉などは、どこで作られた物ですか。厚木にはこの土地で育った農産物が多くあります。特集では、養豚・トマト農家の方に農産物や地産地消への思いなど聞きました。

■市内ではどんな農産物が作られている?

出典:2020農林業センサス
農産物販売全額1位の部門別農家数

■愛情のこもった豚肉
養豚業
臼井農産
芽生えた新緑が色を増す季節。飯山にある臼井農産では、生まれたばかりの子豚が元気に母親の乳を飲み、その姿を従業員たちが優しい表情で見守っています。「ここで働く人はみんな動物が好き。生まれてから農場を出るまで、ずっと愛情を持って接している」。そう話すのは臼井欽一さん(60・飯山)。両親の代から60年続く養豚場を営み、15人の従業員たちと約5000頭の豚を育てています。

▽子豚から育てる
40年ほど前の厚木には約300軒の養豚場がありました。しかし、時代とともに規模は縮小し、今では3軒が養豚業を営んでいます。その一つ臼井農産では、市内で最も多く豚を飼育し、月に約700頭の子豚が生まれます。飼育などを担当する臼井成次さん(37・飯山)は「子豚は母豚の乳しか飲まない。健康に育てるためには、初めの時期が肝心」と話します。生まれたばかりの子豚に手を添え、わが子のように寄り添います。出生時の1・5キロから半年で120キロほどまで成長する豚を一頭一頭確認し、日頃の健康管理に気を配っています。
半年後、農場で愛情を受けて育った豚は、酒井にある神奈川食肉センターへと運ばれていきます。成次さんは「出荷を迎える豚は、その命を私たちに返してくれる」と、感謝の気持ちを込めて送り出しています。

▽厚木の豚を地元の方に
臼井農産では豚を大切に育てているからこそ、おいしく食べてもらうために品質にもこだわっています。健康な豚を育てるため、肉質や生産性のバランスの良い血統を育てたり、飼料に小麦などを配合したりと、おいしさを追及。2016年には「あつぎ豚」として、かながわブランドに認定され、市の名産品の一つになりました。
臼井農産の豚肉は、大型農産物直売所の「夢未市」などに納品されています。11年には、厚木育ちの豚肉を地元の人たちに食べてもらうため、上落合に自社の直売所をオープン。地域の方が手に取りやすくなりました。直売所では、厚木を代表するグルメ「とん漬け」も販売。味付けに欠かせないみそは、農場で栽培している大豆と手作りの米こうじで仕込むなど、全て自社の材料を使っています。「お客さんとの距離が近いのが直売の魅力。食べるだけでなく、地域とのつながりにもなっている」と欽一さんは力を込めます。SNSで当日の品ぞろえやお勧め品を紹介したり、お客さんの声を商品開発に生かしたりと、地域との関わりを大切にし、地産地消に力を注いでいます。
「食べてもらうために育てている。愛情を込めて育てた豚を、おいしいと食べてほしい」と目を細める欽一さん。大切な命を地域の笑顔に変える臼井農産では、これからも豚たちに愛情を注ぎ続けます。

■養豚の歴史
日本の養豚は、江戸時代に始まりました。食肉文化が広まると、港を持つ神奈川県では養豚業が盛んに。市内にも多くの養豚場がありました。

■「厚木のとん漬」が100年フードに認定
とん漬けは、産地直送の豚肉を特製のみそに漬け込んだ江戸時代から続く厚木の名産品です。

▽100年フードとは?
日本の多様な食文化の継承・振興への機運を醸成するため、地域で世代を超えて受け継がれてきた100年続く食文化として文化庁が認定。

問合せ:観光振興課
【電話】225-2820

問合せ:農業政策課
【電話】225-2801

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