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【特集】スポーツ いいね!(6)

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神奈川県厚木市

【人やまちのために】

競技としてスポーツに打ち込んだ経験や楽しんだ記憶は、ずっとその人の中に残り続けます。スポーツを通じて自分にできることを模索する人たちを追いました。

■市民の声「voice」
普段運動している皆さんに聞いたスポーツの魅力
・仲間と共に楽しくスポーツをすると仲良くなれる(10代男性)
・夫の仕事の都合で住む所が変わってもスポーツを通じて輪ができ、一生の友もできた。体の続く限り楽しみたい(70代女性)
・自分ができないスポーツでも応援で盛り上がれるところ(40代女性)

■地元と子どもたちを思って
療育特化型放課後デイサービス
代表 永里 源気さん(37・鳶尾)

「ほら、ボールが向こうに行ったよ」「上手にゴールできた」。青空の下、グラウンドに元気な声が響き渡ります。子どもたちと一緒に運動を楽しむのは、障がい児向けの放課後デイサービスを運営する永里源気さん。「思いっ切り自由に走り回る姿を見るとうれしくなる」と、笑顔で子どもたちを見つめます。

▽声援を力に
永里さんは、Jリーグや社会人チームで活躍した元サッカー選手。地方のチームに所属していた頃は、ボランティア活動などで地元と関わりがありました。まちを歩くと地域の方から多くの声援をもらったという永里さん。「応援が自身やチームの大きな力になった。プレーヤー、サポーターなどスタジアムのみんなで喜怒哀楽を共有できるのがスポーツの魅力の一つだと感じた」。地域とつながりを持ちながら試合ができる喜びを知った永里さんは、チームが住民から愛され、応援してもらうためにできることは何か考え始めました。

▽地域のためにできること
市内で活動する社会人サッカーチームに移籍してからも、地域貢献への強い思いがありました。まず始めたのは子ども向けのサッカー教室です。スポーツが得意な子も苦手な子もサッカーを楽しめるように、レベル別のクラスを用意。「サッカーを通じて、運動する楽しさやコミュニケーションの取り方など競技以外のことにも触れてほしい」と語ります。
いつでも地元や、子どもたちのために行動してきた永里さん。2022年には、市内に療育特化型の放課後デイサービスを開きました。

▽拠り所になる場所を作る
開所しようと思ったきっかけは13年。障がいのある息子が通っていた施設スタッフの手厚いサポートを見た時です。「ほんのささいなことでも褒めてくれて、いつでも前向きに接してくれた」。子どもだけでなく家族にも温かい言葉をかけて寄り添ってくれたのがうれしく、自分も同じような境遇の家族に力になれることはないかを考え始めました。
デイサービスでは、できなかったことができるようになる体験をしてもらうため、スポーツを取り入れた療育を実施しています。「ここに来る子たちは普段『ダメ』『できない』といった言葉をかけられやすい。だから自己肯定感が低く、チャレンジすることに臆病になりがち。『できる』を積み重ねて自信につなげてほしい」と話す永里さん。子どもたち一人一人の表情やしぐさを注意深く観察しながら、それぞれに合った接し方を模索しています。
永里さんの目標は、障がいがある子どもたちの一生を支えられる居場所づくりです。「いつかここに通っていた子が大きくなってまた遊びに来てくれたらうれしい」。生涯寄り添える場所を目指し、今日もスポーツを通じて子どもたちと向き合っています。

■厚木発祥の新たなスポーツを
スポーツ推進委員
前田 直継さん(64・長谷)

「ナイスシュート」。体育館に、にぎやかな声と笑顔が広がっています。コートの中心にある籠を目掛けてボールを投げるのは前田直継さん。厚木市発祥のニュースポーツ・セストシューターの完成を目指し、みんなが楽しめるルール作りの最終調整をしています。

▽試行錯誤の日々
2006年にスポーツ推進委員になり、市のイベントや地域行事の企画・運営などに携わる前田さん。学生時代からスポーツが好きで、バレーボールやバドミントンに親しんできました。18年からセストシューター作りの中心的な役割を担うようになり、「引き継いだ時点で約80回の検証を繰り返していた。完成するのか不安だったけれど、厚木市発祥のニュースポーツを全国に広めたいと思った」と振り返ります。
当時決まっていたルールは、コートの大きさやボールの使用、チームで戦うなど大まかなもの。前田さんたちは、より広く意見を集めるために推進委員で試合をしたり、市のイベントで体験ブースを設けたりしました。「実際にやってみると、シュートを入れる籠のサイズやライン際の判断、パスの方法など、問題点が見つかる。みんな考えが違うのでまとめるのが難しかった」。前田さんたちは、少しずつ改良を重ねていきました。

▽みんなが知る競技に
スポーツをゼロから作る難しさを乗り越え、約8年間かけて練られたセストシューターも完成が近づいています。「市民の方が笑顔でプレーし、汗を流してほしい。いつか全国大会規模のイベントが開かれるようになってほしい」と語る前田さん。厚木市発祥のスポーツを広めるため、仲間たちと協力する日々は続いていきます。

■セストシューター
・1チーム4人で、攻撃(2人)と守備(2人)に分かれる
・コートの大きさはバドミントンと同じ
・試合は前・後半の計9分間
・コートの中央にある籠を狙ってシュートする
愛TV(市広報番組あつぎ愛テレビ):10/1~

問合せ:スポーツ推進課
【電話】225-2531

■参加費無料 スポーツレクリエーションフェスティバル
セストシューターやペタンクなどが体験できます。
日時:11月25日
場所:荻野運動公園
申込み:不要。

問合せ:スポーツ推進課
【電話】225-2531

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